目覚めると建物の中にいた。でもここにいる理由がわからない―― 気づけば主人公は建物の中にいて、建物に至るまでの経緯は覚えていない。とにかく外へ出ようとするが次々とアクシデントが起きて脱出を阻む。はたして主人公は逃げることができるのか!?物語は謎が多くて暗闇の中を手探りで歩いて行くようなスリルがあります。
このお話しがもつ恐怖は、読んでいながら「もしも私がそこにいたらどうしようか」と想像させてくれることだと思います。迷いこんだとあるトンネル。意識を失い、再び目を開けると、そこはトンネルではなく見慣れない何かの施設のよう。丁寧な描写と臨場感ある展開のおかげで、その中で起こる恐怖体験の数々が、素直に伝わってきます。動物病院の用語も勉強になりました。もしかしたら、このまま知ることがなかったことを学べることも、小説の醍醐味ですよね。皆さまもぜひ、お読みになられてくださいね。
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