人間の欲望が艶かしく描かれている本作。 ちりばめられた伏線が回収される時、予想もしなかった結末に恐怖すら覚えます。
タイトルを見たかぎりでは「あれ? ホラーでは?」と思うかもしれもしれませんが、真相を知ると「うん、まごうことなきミステリー」と納得します。全貌が明らかになってから女性の思考を読み直すと「このときから、変わってしまったのですね」とゾッとします。どこがミステリーなんだろうと注意を払わず、たんたんと文章を読んでほしい作品です。
なるほど、そう言うことでしたか。読み終わってからの余韻とゾクゾク感が癖になりそうです。
読み終えた感想はーーーリビドーが止まらない。まるで欲望が現実と空想を行き来して『美』を生み出す作業を作中の主人公を通じて産み出した小説といえます。そんな美しい作品を是非あなたに。日南田ウヲ
面白かったです!ビチャっと言うおとに完全にやられました
ヒロインは、日頃から妄想ばかりでした。そんな彼女が引っ越した先で、夜中、「びちゃ」という音から始まる、得たいの知れない快楽。毎日ではなく不定期に、それは訪れます。「びちゃ」という音を合図に。待ち焦がれる時もありました。それは、生身の快楽よりも激しかったから。最後のオチにはやられました。巧妙な伏線に、そして合図である「びちゃ」の音に注意深く読んでいれば、もしかしたら真相にたどり着いたかもしれませんが、もしかしたら、彼女にとっては幸せだったのかもしれませんね。
完全に騙されました。これは本当に、何も考えずに読んでもらいたい。淫夢という文字に読まずにいた貴方も、是非。