概要
弓道部の友達の応援をしに、市内の体育センターへ大会を見に来た佐々井青磁(ささいせいじ)。
女子個人戦の決勝戦で、とても美しい引き方をした女の子に見とれてしまう。
彼女は最後の一矢を的へ見事的中させ、個人戦の優勝が決まった。まだ、同じ高校一年生なのに。
見ていただけの青磁は、うっかり溜め息のように独り言を漏らしてしまった。
「かっ、けぇー……」
はい、自覚なしの一目惚れをしました。
何も持っていない(自己評価)・僕、佐々井青磁は、唯一無二のまなざしと孤高に輝き続けるそんな永澤さんを知りたくなった。
別の高校。ましてや僕は帰宅部。なんの取り柄も特別あるわけではない。更に、声をかける勇気すら持っていないって気が付いた。
これでいいのかよ? このままでいいのかよ? 僕
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!君想う矢は、一途に届く……!
文句なしの★3つです!
不器用だけど真っ直ぐな男子高校生が、他校の弓道女子に一目惚れする!
友達の協力で、2人はすぐに接近するのですが、その女の子は失語症だった。
スポーツ小説としても素晴らしいですが、それに絡めて主人公の恋がどう発展するかがこの小説の魅力なのかなと思います!
弓道という、スポーツ小説にしては少し珍しい競技を扱い、その奥の深さを知る楽しみもさることながら、ヒロインがスマホで意思表示をするというところに、またオリジナリティーを感じます。
ヒロインの子は、主人公が失語症の物珍しさで近づいたと最初邪推するあたり、ちょっと疑り深く、加えて毒舌、上から目線、素直じゃない性格が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まっすぐな想いで、あの子の心を射抜いて
28メートル。それは遠いのか近いのかイメージしにくい距離感です。しかし、弓道に馴染みのある方なら、どれくらいの距離なのかピンと来るかもしれません。
高校弓道の大会。主人公の青磁くんは大会出場者ではなく、友達の応援をしに来ていました。そんなとき、とある女の子が弓を引く姿に一目惚れしてしまいます。誰しもが真剣に取り組む様子に惹かれるもの。青磁くんが恋に落ちてしまうのも仕方ありません。しかも、その女の子の所作は美しく、読者も思わず惹き込まれてしまいます。
彼女の名前も、通っている高校も知らない。どんな声で話すのか、どんな風に笑うのかも分からない。そんな状況でも彼女への思いをあきらめない青磁くん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!弓道、アオハル、もどかしさ。
弓道をやってみたくなる素敵な作品です。
描写がとても綺麗で、矢を射るときの静と動、臨場感緊張感が伝わってきて気付けば物語に引き込まれていました。
弓道の知識も豊富で、へえそうなのかーっと物知りになった気分でそこも読んでいて楽しかったです。
主人公とわけありヒロインのやり取りにはアオハルが沢山詰まっていて、悩みながら進む彼らの恋愛にも静と動があり、上手くいきますように~っと応援したくなる二人です。
周囲の友人たちも賑やかで、楽しそうにわちゃわちゃやっている場面には思わずくすりとさせられ、キャラたちのリアルを感じます。
読後は爽やか。
28メートル先の的に彼らは何を掴むのか、是非お見届け下さい! - ★★★ Excellent!!!28メートルと言われ、何を思い浮かべますか?
28メートル――この距離は遠いのか近いのか。
このお話の主題は「弓道」です。弓をひいて的までの距離が28メートル。そして、このお話には「距離感」といったテーマもあります。
主人公は弓道には関心がありませんでしたが、とある友人の試合会場で永澤さんを見つける。
彼女の凛とした佇まいに一目惚れしたセージ君は、まるで弓矢のように真っ直ぐ彼女との距離を詰めようとする。
タイトル、弓道、そしてセージと永澤さんの2人の距離感。
作者様が細部まで散りばめたギミックに、恋愛という王道のスパイスが効きすぎて、読んでいて心が揺さぶられっぱなしでした。
素敵なお話をありがとうございました。 - ★★★ Excellent!!!弓道の描写と、無料通話アプリのメッセージ機能を介した恋愛描写に注目
作品タイトルの28メートルとは、弓道における的までの距離ですね。この距離と、年頃の男女の距離感をダブルミーニングにしたわけです。
なぜ私が距離感に注目したかといえば、この作者の持ち味が「くっつきそうでくっつかない、もどかしい恋愛描写」にあるからです。しかも現代の若者らしく、無料通話アプリのメッセージ機能によって、既読がついたかつかないか、そもそも返信はくるかどうかで悶えることになります。
世代によって、文章交流に使っていた技術が違いますが、基本的なポイントは一緒なはずです。
シルバー世代の人は恋文でやっていたでしょうから、お手紙の返信がくるかどうかに悶えていたはずです。
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