番外編  CLOWN with T.T.

 全世界の皆さま、こんにちは。ご機嫌いかがかな。

 僕はパフォーマーのYOSSY the CLOWNヨッシーザクラウンです。こちらの世界ではそれなりに有名なんだけど、そちらの世界ではまだまだかな。まあそれは仕方がない。

 わかりやすく言うと、佑佳作品に【C-LOVERSクローバーズ】というお話があるんだけど、僕はそれのメインキャストの一人ってワケ! ご存知の方もそうでない方もどうぞよろしくね☆


 で、この度こういう場を設けましたのは他でもない。

 なんと、佑佳がとある作品で大賞を戴いたんだよ!

 びっくりだよ、ああびっくりさ! まさにAMAZINGアメイジング! だって佑佳が何かで一番になったのなんて、小学四年生の写生会で描いたとある駅舎が金賞に輝いたとき以来だからね! あとは生まれ順くらいだね、佑佳は第一子だから。

 ……それくらいだねぇ、うん……Oh my……かわいそうに。


 さて、半泣きの佑佳に睨まれているので前置きはこれくらいにしよう。

 ご紹介しましょう、外川とがわ琢心たくしんくん!


外川「どどどどどーもおはようございますこんにちはこんばんはッ」


 おやおや、随分緊張してる? キミが一番プレッシャーに強いと佑佳から聞いていたんだけど。まぁいいや、だんだんほぐれていくよね。

 ここからは対談形式だよー。



        ◉



YOSSY「さて。『Signoreシニョーレ外川』と『琢心くん』とどちらでお呼びしようかな?」


外川「しにょ、へっ? えと、琢……あーっとその」


YOSSY「アハ、いま佑佳から『異国語ミックス禁止』とお触れが出たよ。じゃあ僕も日本語しか使わないようにするから、わかりやすく『外川くん』とお呼びするね」


外川「せせせ世界のYOSSY the CLOWNがリリリポーターみたいなことをなななどうしてっていうかなぜおれに質問を」


YOSSY「アッハッハ、そこからァー? それはねぇ、僕が佑佳のビジネスパートナー(右)カッコみぎだからだよー」


外川「みみ、右? ということは、左もいるんですか?」


YOSSY「いるよ、面白い男だよ。僕の次にだけど」


外川「よよよYOSSYの動画サイトのチャンネル登録してますっ! かなり見てますっ!」


YOSSY「ホントにーっ! いやあmerメル……じゃなくて、どうもありがとう! 引き続きパフォーマンス活動頑張ります。さて、話を本題に移そう」


外川「本題? あっ、そいやおれ、たしかに何の話でここに呼ばれたんだろ……」


YOSSY「二〇二五年五月、なんと外川くんの物語が、ステキブックスさんから書籍販売となりましたーッ!」


佑佳「ウオーーーイエエェェエエイッ!!! イヤッフゥゥウーーーー!!」


YOSSY「ちょっとちょっと。テンドンはやめていただきたいな。カメラまわしてる人が叫んだら台無しだって何度言ったっけ、俺?」


外川「ま、まぁまぁ、YOSSY……さん。佑佳今回かなり頑張ったし、お祭り騒ぎなのはおれたちもそうなんで、大目に見てあげてください」


佑佳「た、琢ちゃん……キュンときたやが……」


YOSSY「ん゙っ、ん゙ん゙んっ! 書籍作業始めるまで気付かなかった某弓道用語の漢字のミスについてン゙ン゙ン゙ッ゙ッ゙!」


佑佳「うわっガチでヤベーやつ。ささっ、対談を続けてくだせぇ」


YOSSY「失礼。僕のビジネスパートナーが無礼を。というかこれ三度目だからね。前も同じことやってるから」


外川「あっ、いえ、おれたちのやり取りに張りついてたときもわりといつもあんな感じだったんで、なんか今更っていうか、その、慣れたものって感じというか、見慣れてるっていうか」


YOSSY「優しいなあ、外川くんたちは。さあ、話を戻そう。今回書籍になったのは【28メートル先のキミへ】という青春小説だね。佑佳は二〇二〇年の春先からウェブに投稿しつつ初稿を書き切り、その後いくつもの公募へ送り込むもなかなか成果を得られず、都度都度手直しを加えては公募の荒波へ放り込み続けていたんだよね」


外川「はい。でもステキブンゲイの第一回大会の第四選考の約四〇作品に残ったんです! PVや評価だってウェブに上げている佑佳作品の中では一番だったし、途中にはおれのスピンオフを三作も書いてくれました!」


YOSSY「へえ、すごいじゃないか! ……あぁ、そうか、なるほど。スピンオフ作品を書くまで佑佳がキミのことを気に入ったから、キミがここに連れてこられたんだね」


外川「えっマジ? そうなの? セイちゃんよりおれのが気に入ってる? だったら瑠由るうちゃんとの話――」


佑佳「あーいや。SNSアンケートで一番人気だったサブキャストが琢ちゃんだったからで……」


YOSSY「Oh my……なんてこった。一人だけスピンオフ書いたらそりゃ知名度ポーンなるし人気も出ちゃうでしょうよ。何事も平等にしないとだろ、佑佳」


外川「なんだぁ、続き書いてもらおうと思ってたのに。だったらあとはもうタママミのあまあま話しか残ってないじゃーん」


YOSSY「ほう、なるほど? 身内がむしろ気になってる小話が掘れば掘るだけありそうだね。さてさて外川くん。書籍での注目点やこだわりがあれば、是非とも教えていただきたいのですが」


外川「は、はいっ。えと……全体的に描写に厚みが出ていることと、展開の変更があったことが注目ポイントです」


YOSSY「ほう、まるで佑佳の出してきたカンペを読んでいるようだけれど、外川くんは未成年なので目を瞑ろう。えー、描写に厚みとはどういう具合かな?」


外川「えと、佑佳がよく振り返ってたのは、読んだときに浮かんでる情景が、漏れなく説明なされているかについてを注意してたみたいです。たとえば、ひと口にベンチと言っても十人十色で想像しますよね。けど、佑佳が想像してるその色が実は茶色で、クッション地で、合皮の手触りで、みたいな。実際にそこまで描いてあるかと振り返りつつ誤解がないかに注意して、必要な情報をバラけさせつつ加えてました」


YOSSY「へぇ。今尚表現方法を改善し学んでる、ということだね?」


外川「た、多分? あとは何と言っても弓道用語や知識に間違いがないか、とかでしょうか。おれも弓道部員のはしくれだし、逐一一緒にチェックしてたんですけど、佑佳はいーっつも『ホントにこれで合ってるやろか……』とかってソワソワオロオロするんで、つられてこっちまでソワついちゃいましたねぇ」


YOSSY「まぁ佑佳はもともと自信なんかほぼないようなものだから……」


外川「あとは、新規参入したサブキャストがいることですねぇ」


YOSSY「Ah-huh! あの方ね! 僕にも引けを取らないと噂のイケメンダンディだね☆」


外川「たしか、あの方のお名前もSNSのアンケート機能で最終決定していたような……」


YOSSY「一応実在する佑佳の恩師のお名前のアナグラムではあるらしいから、まぁこの件に関しては『上手い使い方をした』ということで勘弁してあげてもいいか。他にこだわりポイントはあるかな?」


外川「んー、やっぱり表紙の永澤ながさわちゃん、かな」


YOSSY「そうだね。例にもれず杉村すぎむら氏に描いていただけたわけだけど、いつものように佑佳の突飛な依頼を快く引き受けてくださったことには、全キャストで感謝してもしきれないよね」


外川「ですねッ、しきれませんね! 編集部に売り込むときはヲタクの早口って感じで、見てて怖かったですけど(笑)」


YOSSY「あっはっは、エンジン全開かな(笑)」


外川「あと、どんな構図がいいか迷いに迷ってたので、弓具を構えたいろんな角度で写真を撮って、杉村さんに送ってました」


YOSSY「よかったねぇ、まだ弓が引けて。きちんと手本になれてたならいいんだけど」


外川「セイちゃ――じゃなくて、主役の青磁くんと同じように『ゴム弓』でしたけどね。あとは一般公開はできないものの話なんですけど、杉村さんが描いてくれた永澤ちゃんの横顔が現実すぎて、青磁くんと一緒にひっくり返ってたのは笑いました」


YOSSY「佑佳はいつも杉村氏の絵でひっくり返るなあ(笑) 表紙デザインをしてくださった編集部の方も素晴らしい加工を加えてくださっていたよね」


外川「はいっ。もしかしたらおれたちの深読みかもなんですけど、タイトル文字の中に『青磁色』が混じってんですよわかります?! こことかここッ、これってセイちゃんを表してるよねって騒いだんですおれたち!」


YOSSY「……キミたちがいかに佑佳に毒されてきたか、手に取るようにわかるよ。それ、抜けるまでちょっとかかるから覚悟してね(笑)」


外川「え、そうなんですか? おれあんま変わってないと思うんだけどなー?」


YOSSY「えーとではそろそろ締めに……。今回の【28メートル先のキミへ】は、佑佳がもっとも好みとしている『学園もの』です。学内というより、学外や放課後に重きのあるストーリーだよ。恋愛はもちろん、周りと違うことへの焦燥感とか、何が正しくて何が間違ってるのかといった思春期後期の感情変化なんかも、見所になっている一作だね」


外川「弓道やってる方はもちろん、ちょっと興味あるなーとか、むかし弓道部だったとかで注目してくれたら、おれたちも佑佳もめっちゃ嬉しいです。あとはセイちゃんに代わって言わせてもらうと、『表紙のにひと目惚れしたら買い!』です」


YOSSY「補足連絡だけど。佑佳は今回の書籍に関するインタビューを受けるという、とんでもなく貴重な機会を戴きました。素敵な記事として作っていただいたのでぜひともチェックしてみてください。僕は引き続き、28メートル組の動向を佑佳の右隣でしっかり見守らせてもらうね」


外川「発売になってから『タイトルで惹かれた』って話をちらほら聞いてるので、おれたちも自信になりましたよ」


YOSSY「あー、例によってずーっと『タイトル自信喪失の呪い』にかかってたもんなぁ、佑佳は」


外川「そうそう、そうなんですよ。結局褒められてんだから素直に受け取ればいいのにーって感じです」


YOSSY「言うねぇ外川くん(笑) ……やっぱりいつの間にかすっかり緊張ほぐれてたね」


外川「あ゙っ! た、たしかに……たしかに?」


YOSSY「では外川くん、そして28メートル組のみんな。改めまして大賞受賞本っ当におめでとうございます! そして対談ありがとうございました」


外川「いいいえいえいえっ、こちらこそっ! てかあのYOSSYから――じゃなくてっ、YOSSYからお祝いしてもらえちゃうなんて思ってもみなかったので! ていうかそうだっ。このあとYOSSYさんのサイン貰ってもいいですか?! 三枚欲しいんです、一枚はおれ! あと二枚は頼まれてて。永澤ちゃんと、もうひとり。えと……おれの幼馴染っていうか、前にお世話になったお姉さん、なんですけど……」


YOSSY「Bien sûrもちろんだよ!」


佑佳「【28メートル先のキミへ】は、全国書店ならびにネットショッピングでご購入いただけます! サイン色紙をお渡しした書店さんもあるので、近隣の方はぜひ直にご覧ください。細かいことはXで随時発信してるので、そっちもチェックしてくださいねー!」


YOSSY「毎度はしたないほどのダイレクトさだな……」




 多大なる感謝の気持ちと愛を込めて――


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28メートル先のキミへ 佑佳 @Olicco_DE_oliccO

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