雨の日の気だるい民俗学の授業で始まる構成によって、全体のトーンが統一されており、「怪異は時代によって形を変える」、その面白さをしっかりと抽出した作品になっていたと思います。洒脱な筆致が素敵です。物語の舞台が「大学」という、不特定多数の人間が自然と入り込める空間であるゆえに、リアリティがあってゾッとしました……。
都市伝説とは私たちの暮らしに隣接しています。本作品は民族学の教授の講義から始まり、そして主人公の目線へ。リアルな学生の心境やキャンパスの風景も見事で怖さが助長されています。そして本作品ならではの都市伝説の在り方が描かれており、後半、主人公が追い込まれていく過程は読んでいて思わずゾクリ。皆さまもぜひお読みになられてくださいね。※「おばけのお話募集」企画にご参加いただきありがとうございました。
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