概要
原案 遠野物語一〇三「雪女、小正月の行事」優しい幽霊
3・11の津波で死んだ、お姉ちゃんの片方だけの赤い長靴を抱いて、おばあちゃんは泣いてばかり。7年目のケジメをつけようと、家族みんなで岩手に行くことに。長靴でお姉ちゃんのお墓を作ろうと、夜こっそり抜け出した僕に、一人の女の子が声をかけてきた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!震災の傷跡は、傷心と向き合うために。
あの年の3月11日。東日本大震災の津波災害によって亡くなった(行方不明になった)主人公のお姉ちゃんとお母さん。
冒頭は主人公が空色のランドセルを祖母に見せるところから始まります。普通の家庭ならば幸せなな光景なのに、主人公の祖母はランドセル姿の孫を見て泣き崩れてしまいます。
なぜ祖母は泣いてしまったのか。
主人公一家はお姉ちゃんの片方の長靴を持って、震災時に住んでいた岩手県へ。
幼い主人公が抱くお姉ちゃんを弔う気持ちとコンプレックスは読んでいて胸が痛みました。
そして最後の出来事には思わずドキリ。
震災の悲劇。被災した一人ひとりが抱える苦悩はまだまだ色濃く残っていますよね。
※この度は…続きを読む