クトゥルフ神話というのは知名度が高い割に妙にとっつきづらい。とりあえず開祖であるラブクラフトの作品を読めばいいのかと思い、素直に『ラブクラフト全集』1巻を手に取った結果、妙に読みづらかったり、クトゥルフと関係あるのかないのかよくわからない鼠の話を読まされたりして、挫折してしまうというのは有りがちなケースである。
クトゥルフに興味はある。けれど、もうちょっと簡単なところから触れていきたい……そんな貴方におススメしたいのが、こちらである。
前半ではクトゥルフ神話に出て来る有名な邪神やその眷属などをわかりやすくキャッチーにご紹介。名前は何となく聞いたことがあるけど、具体的にどんな生態なのかはよくわからないという人にぴったりである。解説された邪神がどんな作品に登場しているのか紹介してくれているのも嬉しい。
また後半となる二学期目では、それまでの邪神紹介に加えて、クトゥルフ神話に関する作者独自の調査方法、クトゥルフ神話が登場するオススメの小説やマンガ、関連本など主流のジャンルの作品紹介、さらには人気ソシャゲ(ウマが緑川光の声で喋るやつ)やTRPGなど周辺のジャンルで扱われているクトゥルフネタを解説するなど、かゆいところまで手が届く内容となっている。
クトゥルフに興味があるけど、どこから触れていいのかわからない人には是非一読してもらいたい解説集だ。
(「カクヨムで読める冒涜的なクトゥルフ特集」4選/文=柿崎 憲)
ラヴクラフトの作品にはまって十数年。
クトゥルフ神話とは何か。
この問いは、未だにうまく言葉にまとめられない。
様々な書籍を端から読み漁り、分厚い解説書も買ってはみたが、欲張って全部を吸収しようとしても、根気と記憶力が続かない。
そんな時「こういう作品があればなぁ」と思っていたのが、まさにこの作品。
もっとも素晴らしいと感じた点は、分かりやすく簡潔にまとまっていることでした。
1編1編が長すぎず、ゲームなどの身近な話題も絡めてくれるので、スラスラと読め非常に助かりました。
実用的でもあり、読み物としても楽しめる。そんな素敵な一冊。
個人的には、ドリームランドと猫の関連の解説が気に入っています。
クトゥルフ神話と聞けば真っ先に出てくるTRPG『Call of Cthulhu』。その『キーパーの知識』の項目には、つらつらと『これ読むといいよ』とお勧めのH・P・ラヴクラフトの作品の題名が並んでいます。
そして、それらの作品は大体青空文庫で読むことができます。図書館に行けばいくつかは本棚の隅にラヴクラフト作品が置いてありますし、その気になればいくらでも読めます。そしてシナリオを書くなら最低限読むべきではあります。(狂気山脈とかは微妙に長いけど短編もそこそこ多い印象でした)
が、原典の重要性はさておいて、その後で自分に必要な情報を纏める作業がいくらか必要です。なにせH・P・ラヴクラフト作品は小説であって設定資料集ではないので!
目当ての情報を纏めて自分のシナリオに反映できるチップスに置き換える作業。面倒ですよね。そんなときに参考になるのがこの講座。
まずわかりやすい。読みやすい。素晴らしい。
実用的です。実際活用してます。お勧めです。