三奈木真沙緒

201万3千字弱。全7作にわたる、女戦士たちからなる部族ダニアの、壮大な歩みを描いた「蛮族女王シリーズ」を、描き切った文字数である。シリーズ最初期作では、ダニアの女王にとらわれた少…続きを読む

本好き同士。あるいは、作者とファン。本を通してつながる気持ちが、甘くてあたたかい世界を作り上げています。人物ひとりひとりの目線でゆったりと語られるオムニバス形式なので、1話ずつじっ…続きを読む

ライブハウスで歌う少女と付き合うことになった、中学生の友斗。しかしそこにはかすかな違和感が。同じ頃、友斗の周囲の人々に、不気味な包囲網が。やがて友斗は、終わらせたはずの過去に直面さ…続きを読む

高校生にして難病を発症し、余命宣告されてしまった主人公。自分がその立場になったら、どんな気分だろうか。自分はもうすぐいなくなってしまうのか。これから痛いのかな、苦しいのかな。後悔し…続きを読む

なんという繊細なおっさんたち。女子大生の一挙手一投足をめぐって、4人の男性が無言のうちに意見をたたかわせ、腹をさぐり合い、恥をさらし合う。揺れる心、揺れる電車。降りるまであと何駅か…続きを読む

　古くから知られる妖怪や怪異の話。古くさい、と思います？　いえいえ、もしも現代で出っくわしたら、こういう恐怖に襲われるんですよ……？ 　あの怖い伝承を、現代（現代ではない場合もあり…続きを読む

　ちょっと奇妙で、ヒヤリとする、時間や空間の体験を扱った短編集。なんとなく記憶にこびりついた奇怪な出来事、でも思い出そうとすればするほどその体験はゆがんでいく……果たしてあれは、本…続きを読む

　本作タイトルの通りの、短い物語が並んでいます。中には、続きものや「つながってる？」なお話もありますが、基本的に1話完結。だから読みやすい。そして中身は、人間ドラマから恋愛、SF、…続きを読む

　ギリシャ神話の最高神、ゼウスをご存知だろうか。彼が美女（おっと美少年もだ）に目がなく、妻のヘラが毎度怒り狂っていることも。 　そんなゼウスが、かの秋葉原へやって来た。……もう嫌な…続きを読む

はい、このタイトル見られた方、ぜひとも釣られてください。 「うわーわかるわかる」の10連続。しんどいよ、だけではなく、くすっと笑えるユーモアがまた絶妙です。現代日本の社会、根っこを…続きを読む

祖母から受け継いだ梅干しの作り方を実践する、大学生の主人公。梅干しって、自分で作るとかなりの手間がかかります。しかも近年の暑さの中では重労働、雨が降っては台無しなので地域によっては…続きを読む

熱く語る作者様、参上！　仮面ライダーシリーズへの愛が、あふれるどころか沸騰しています。思い入れのある仮面ライダーがいるなら、思わず知らず釣られてみちゃう、そして拝読しながらうんうん…続きを読む

こんな風に愛せて、フィクションに綴ることができる運命の出会いって、幸せだなあ。いいなあ。

人気絶頂の中で、突然解散してしまった伝説のロックバンド、トリケラトプス。そしておよそ30年。生放送のライブ番組の中で、彼らを再びステージに立たせるという、テレビ局の企画が持ち上がる…続きを読む

子どもの頃って、何も考えずに童謡歌って遊びますけど、意味をあらためて考えてみると、かなり残酷な意味合いのものがありますよね。 この童謡、何を煮て食べているのでしょうか…。 底知れな…続きを読む

紹介文からわかるように、今まさに旬の話題です。
ゾッとしました…。

本当なんです、この教祖様はインチキじゃないんです。その証拠にほら、教祖様の霊力をこめた水をこんなふうにしてみると、あ～ら不思議。 霊力が本物だからこそ追い詰められてしまう教祖様の姿…続きを読む

主人公の、戸惑いながらも真っ直ぐな語り口に引き込まれました。短い中に、緑の日差しと、どこか懐かしい不思議な世界が描かれて、主人公の少年の純真な恋心が際立つようです。バスで出会ったあ…続きを読む

「私がやりました」としか言えない村人たち。信じちゃう警察。どうすりゃいいのよ。 あなたはこの論理パズルが解けますか？ ちなみに、本文に無駄なおふざけは一切ありません。一言一句すべ…続きを読む

それでも、立ち向かわざるを得ない衝動、それを「情熱」と呼ぶ。たとえば、このタイトルとキャッチコピーを見て、本文をつい読みたくなったアナタも、きっとそう思うに違いない。たぶん、おそら…続きを読む

まず、「筋肉ムキムキの子猫」がとっさに想像できなくて、気になりはじめる。試しに1話を読んでみたら、メルヘンなのか大人のキチャナイ世界なのかわからない舞台へ、地の文による容赦ないツッ…続きを読む

世界の戦乱は収束の気配を見せず、平和だった地域も神経をすり減らす今日。こうした日々を過ごしている中で本作を拝読すると、「ありえそう…ていうか、公開されてないだけで、水面下でこんな政…続きを読む

　月が消えた。欠けたのではなく、消えた。陸奥帰りの文章生・小野篁は、物の怪を見ることができる能力と、蝦夷とわたり合った経験のある豪胆さゆえか、奇怪な事件に巻き込まれていくことになる…続きを読む

ちょっとのんびり気分で読める、八十八ヶ所巡りの記録。作者様としては波乱万丈ですが…のんきに楽しめてしまうのは、短歌と俳句の腕前ゆえか、それとも絶妙な顔文字の妙か。ときにくすくす、と…続きを読む

たったこれだけの文字数に、冒頭に至るまでのドラマや、登場人物の背景が織り込まれていて、驚く。その生き方のために孤独を抱えた主人公は、どこへ連れて行かれるのか。ネタバレレビューでも書…続きを読む

殺人事件。殺された人はもちろん、自分に起きたことを証言することはできない。だから警察官や探偵役が、真相を突き止めていく。でも、もしも、その場に居合わせてすべてを見ていた動物が、真相…続きを読む

エッセイ風に語られる思い出。でもジャンルはよく見たら「現代ドラマ」。さあ、作者様の実経験がどのくらいの割合で入っているのかわかりませんが…。 でも、拝読してみると、不思議に懐かし…続きを読む

…と叫びたい。ときに、乾いた笑いがこみ上げ、冷たいものが心を吹き抜けていくのは、なぜだろう。どこかで見たような気がしないか、この光景？ 当レビューを書いている現在、主人公の苦悩と困…続きを読む

トリノス探偵事務所に、またまた依頼が。（お値段も含めて）超豪華列車に乗り込み、依頼をこなすことになった探偵たち。現実離れした別世界が疾走する旅と、遠い黄金の日の思い出が交差し、ダブ…続きを読む