定番だと『こっくりさん』で、最後の儀式「おかえりください」など言わなかった結果、ホラー的な恐怖体験をすることになってしまう……というのがお決まりの展開ですが、この作品は一風変わった視点で描かれます。
つまり「おかえりください」を言ってもらえなかったため「帰ることが出来ず、10円硬貨に閉じ込められてしまった」……そんな「こっくりさん」の視点、考えたことありませんでした――!
斬新な視点で、ご同輩の硬貨INこっくりさんとの対話に、哀愁が漂う……のみならず、「500円」に入ったこっくりさんの新入りがちょっと調子に乗るなど、本当に思いもよらない思考の死角を突かれまくり、終始とても面白かったです。
主人公のこっくりさんにとっては、確かにホラーで――しかしこの「誰も思いつかない」ような視点に着目し、物語を作れるのは……作者様が「ミステリー得意だから!」だと思うのですよね……! 他作品のミステリーも、すごく面白いですし。
ミステリーもホラーも、斬新さや発想に驚かされます。
この作品には「コミカル」な雰囲気まである……是非ともご一読オススメです!
みなさん、十円玉ってところで、ご存じですか?
知らない?そうでしょうね。みなさんはSuicaやクレカやPayPayなど電子マネーを使ってらっしゃるでしょうから、
まして10円玉でお菓子が買えた時代などとうに終わったのです。
そんなこのご時世に、よりにもよって十円玉に転生(?)してしまった神様が、
こっくりさんの小道具に使われ、
帰してもらえずに豚の貯金箱に入れられて、「豚箱行きだ」などと色々小言を言うお話です。
ちなみにこのお話にはアナザーストーリーが加わる予定でして、この後、タコさんの貯金箱に入れられて
「今度はタコ部屋か!!」というストーリーが始まるわけですが、それはまた、別のお話……。