緑月文人

本ばかり読んでいて『ボサボサ赤毛の眼鏡姫』と陰口をたたかれる貴族のお嬢様アリス。 ある日、森の中に迷い込んだアリスは、不思議な館に辿り着く。 アリスはその館の主であり吸血鬼たる、美…続きを読む

　化粧、服装、仕事、恋愛……。 　過去のあれこれを振り返り、淡々とした読みやすい文章で綴られた読みやすいエッセイです。 　『わたしは、自分の「色」を見つけた』という最後の一文で、読…続きを読む

　とある町の中に佇む魔法のアクセサリーショップ。 その店では、願いを叶えるお守りが売られているらしい……。 　魔法や妖精の描写が丁寧で、幻想的で美しかったです。良作ファンタジーを…続きを読む

　作者さんはご結婚されて奥様とお子さんがいらっしゃる男性です。 　仕事に家事育児。多忙な生活をこなしつつ、それでも作家を夢見ることをあきらめずに、執筆・投稿を繰り返す日々。 　日々…続きを読む

　白くて、寒くて、凍えそうな夜。 　そこで繰り広げられるぼくとスノーマンの物語。 　淡々としていながらどこか柔らかい文章で綴られた、全体的に童話や児童文学のような雰囲気が漂う作品…続きを読む

　作者さんが小学生の頃のとある不思議な出来事を書き綴ったノンフィクションです。 　夜中に机の電気が点いていた、隣の部屋から机の引き出しを開け閉めする音が聞こえた、等々……。 　淡…続きを読む

　国の第一王子ハインスと、公爵令嬢シュレイアとの婚礼発表の場。 　そこでシュレイアはハインスから婚約破棄を突きつけられる。 　だがシュレイアは驚きもせず、落ち着き払った様子で問いか…続きを読む

　普通の花屋とは違って、鉢植えの形で花を売る花屋。 　毎日決まった時間にやって来るそのお客様は、毎回１つだけ鉢植えを買っていく。 　そのお客様は全身に黒い布を纏い、顔も布で覆い隠し…続きを読む

『統合失調症になってみた。とはいうが、別になりたかったわけではない。気づいたら「なっていた」ものだ』 　冷静で淡々とした文体で始まる赤裸々なエッセイです。 　全体的に読みやすくて…続きを読む

「これを授けましょう。あなたが改心すれば――」 　大学は2年連続留年し親の電話はシカト、バイトもしょっちゅうばっくれる。 　そんな自堕落な生活を送っていた主人公は、ある日謎の女性か…続きを読む

　ある日の昼頃、誰かが主人公の部屋のドアを叩いた。音をきいて、なんとなく嫌な気持ちになりつつもドアを開けるが…… 　他の方のコメントで「狐につままれているよう」と書かれていましたが…続きを読む

　とあるラーメン屋で、持ち場を離れずチャーハンだけを作り続ける不器用な男・ジン。 　ある日彼は異世界転移することになり―― 　主人公への尋常ではないチャーハンへのこだわりに笑いま…続きを読む

　ある日、浴室で頭を洗っていると何かの気配を感じた。その直後に見えたのは、尻尾のない白い狐の姿だった……。 　簡潔で読みやすい一人称で語られる短編です。実話をもとに書かれたとのこ…続きを読む

誰に対しても平等に接してみせる美貌の貴族令嬢が、浮気をする婚約者へそそぐ一途な愛情。 それがため込んだ怒りや不満によって、狂気が入り混じり歪んでいくさまが淡々と描かれていて怖かった…続きを読む

「三千万だ。いいか、息子を返して欲しかったら、その金を今から二時間以内に使い切れ」 　子供を誘拐された主人公にかかってきた犯人からの連絡。 　困惑しながらも、子供を取り返すために主…続きを読む

老人が孫相手に、昔話を聞かせているという形で綴られる物語。
文体が飄々として軽快なためか、楽しくすらりと読めます。
ほのぼのとした雰囲気の作品が好きな方に、特にお薦めの作品です。

八月五日の深夜。茹だりそうな熱気が支配しているべき夏の夜に、世界の全てが凍っていた。 異常な事態の中で主人公と「お隣さん」と自分を呼ぶ少女との交流が、淡々とした筆致で静かに描かれま…続きを読む

　罪人の娘ゆえに孤独な生活を送る少女シリル。彼女はいつも丘の上にある大木の下で青年の絵を描いていた。 　シリルの環境に変化が訪れ、その地を去った後その大木は人の姿に変化して…… 　…続きを読む

この作品は中世に実在したと言われるウィピング・ボーイという職業を題材にした、コメディ短編です。 　あまり聞きなれない職業ですが、冒頭に分かりやすい文章で簡潔に説明されてあるので、調…続きを読む

「だから我々は考え続けなければならない。 何故なら我々は、人間であるのだから」 　印象的なこの一文で締めくくられた本作には「良い人、悪い人とは？」という疑問から始まるあれこれについ…続きを読む

「エッセイというほどでもない、日記的な雑文」 と作者さんは評していますが、飄々とした軽やかな文体と雰囲気が心地よく、さらりと楽しく読める文章です。 　また猫キャラの一人称として綴っ…続きを読む

　この物語の主人公・リエルは周囲から「醜い」「化け物」と忌み嫌われながらも、父や母からは愛されて過ごしていました。 　周囲や両親とはまるで違う自分の容姿。それを自分でも「醜い」と思…続きを読む

　これは、主人公の男性が、思い出すために書き記す物語。 　一人の女の子を、何度も、何度も思い出せるように……。 　一話完結で綺麗に纏まっており、読み終わった後の切なくも温かい読後…続きを読む

　森に隠れるように佇む人気の少ない村を通りかかった一人の男。 　その村では、化け物にいけにえを差し出さねばならず……。 　こう書くと典型的な和風ファンタジーのように思われますが、…続きを読む

　舞台は「マルスの厄災」と呼ばれた大戦争から500年後の世界。 　独特の雰囲気に彩られた世界で生きる、少年たちの冒険が幕を開ける――。 　子供のころによく読んでいたジュブナイルの冒…続きを読む

これはオムニバス形式で描かれた、悪役たちの物語。 悪役とは、悪行を為す者。その悪行にいたるまでの過程を、静かで淡々とした文体で丁寧に描かれています。 　上述したとおりオムニバス形…続きを読む

　メアリー・シェリーの書いたゴシック小説『フランケンシュタイン』 　創造主の死に絶望した怪物は、一人の女性と出会う。 　原作では創造主の死の後、怪物は自ら死ぬために北極海へと消え…続きを読む

『たにし長者』という有名な昔話を、アレンジした短編です。 　現代風の言葉を交えるなどしているせいか、懐かしくも新鮮な印象を受けました。さらりと読みやすい短編としてよくまとまっている…続きを読む

　主人公はある田舎の山奥に住む体の弱い少女。 　思うように体が動かせない彼女は、ある日柚子の香りに導かれて―― 　 　一話完結の綺麗に纏まった短編ファンタジーです。児童文学っぽい雰…続きを読む

　普段、わがままを言わない『彼が』どうしてもぬいぐるみを作って欲しいと言ってきたので、一生懸命ぬいぐるみをこしらえる。 　完成図まで持ってくるほど、熱心にぬいぐるみを欲しがる理由と…続きを読む

　主人公の女神は、ある日「大事な話がある」と付き合っていた男性に呼び出され、一方的に別れ話を告げられます。 　一度は絶望した彼女は復讐を決意し―― 　短くもよくまとまった、爽快で読…続きを読む

　公園で遊びたいとせがむ我が子に、日焼け止めクリームを塗ろうとする。何気ない日常の中で、ふと自分の子ども時代の記憶が蘇り……。 ほっこり系のお話とある通り、読み終えた後に温かくて心…続きを読む

　とある一人の青年が周囲の人から「どれだけ愛されているか」を知りたがっていた。そんなとき、流浪の商人から「自分を愛してくれる人が分かる秘薬」をもらうが…… 　他の方のレビューにも書…続きを読む

　物語の舞台は、ケモミミ国と呼ばれる国。
　その中で一番物知りの先生による青空教室で授業が行われる……。
　経済に関する知識が無い方でもすらりと読める、寓話風の楽しい作品です。

　主人公の大学生が入った店は、「熊寿司」。 　その名の通り、熊が握る寿司を出すお店でした。 　そして出てくるお寿司はどれも……。 　熊の店主さんと主人公のやり取りが、シュールでコ…続きを読む

　とある出来事が原因で、主人公の少年のコウキが家出をするところからこの物語はスタートします。 　途中で一緒についてきた少女のマイカ。明るくマイペースな彼女もまた家出をしているのだが…続きを読む

　ある山には、竜に身を変えた美しい姫が棲むと伝えられる幻の滝があった。 　その滝を見つける事ができたら、願い事が叶うという噂を耳にした人々が挑むも、そこまでの道は険しく、ことごとく…続きを読む

　幼少期のお話から始まって、宗教に出会いのめり込んでいく様子が描かれています。辛い出来事のはずですが、てらいのない文章でさらりと書き綴られており、非常に読みやすいです。 　普段、エ…続きを読む

　主人公のアネモスは、魔女であるという正体を隠しながら長い年月をひとり生き続けてきた。 　妖精たちと言葉を交わし、魔法を用いて薬を作りながら、流れ着いたある街で穏やかな毎日を過ごし…続きを読む

　むかしむかし、あるところに、竹取の翁という者がおりました。 　という一文から、この物語は始まります。 　ですが、この作品は竹取物語が始まる数年前の出来事を描いた物語です。 　強…続きを読む

　ある日、主人公が突然事故死するところからこの物語は始まります。 　それもかなり、間の抜けた事故で。 　このまま事故死として処理されたくない主人公は、かつて色んなことをされた悪友の…続きを読む

　主人公は、東京都内でウェブデザイナーをしている女性。仕事に忙殺されて、死んだような毎日を過ごしていた。 　ある日祖母の訃報を知り実家に帰省するが、祖母が生前大切にしていた水晶を見…続きを読む

主人公は、おばあさんから聞いた昔話に登場する童――野っ子と出会う。野っ子に誘われるまま、雪の中で楽しく遊ぶが……。 　怖い話かと思いきや、どこか物悲しくて切ない印象の物語でした。 …続きを読む

　友達がいなく、トイレの個室でお昼を食べる主人公。 　お化けでもいいから傍にいてほしいと思った彼女は、花子さんを呼びだそうとするものの……。 　怖い話かと思いきや、主人公と花子さん…続きを読む

　付き合っていた彼女がこっそり浮気をしていたと知り、落ち込む主人公。 　そんな彼の前に現れたのは、二人の少女。 　タイプは違うが共に見目麗しい彼女たちの正体は――。 　人間社会に順…続きを読む

　安倍晴明といえば有名な陰陽師で、漫画やアニメや小説、映画などたくさんの作品で取り上げられています。 　本作ではその安倍晴明について、身代わりの術で、病気にかかっていた僧の生命を助…続きを読む

　主人公は、ラブレターを書いて告白を重ねてもフラれ続ける男子。 　今度こそ意中の彼女を掴もうと、恋文の内容を考えていると、恋文を書いていた机が大きな口を開けてしゃべり始めた……何…続きを読む

　この作品の主人公は、文芸翻訳を仕事にしている女性。 　彼女が恋人へあてた最後の手紙を書き残して、恋人と暮らした家を出ていくシー家を出ていくまで至る経緯が、透明感のある文体で淡々…続きを読む

主人公は、高校に通い始めた人間の少女。 　バイト先を探していたが、日々落ち続ける。ようやくバイト先が決まるが、そこは妖怪が出入りするレストランだった……。 　妖怪ものですが、全体的…続きを読む

　戦国武将 の一人、赤松広秀という人物の生涯を描いた小説です。 　豊富な知識をかみ砕いて丁寧な筆致で綴られているだけではなく、短くもよくまとまっている読みやすい作品です。 　歴史小…続きを読む