築50年の古い家。 都会を離れ自然の多い所に引っ越してきた。 引っ越しの荷物の整理をしていると、奇妙なものが見えた。 それは人間の子どものによく似ている。 それは私に近づいてくる。 彼は家の精なのか。 私を歓迎してくれるのか。 幻想的で心が清らかになる素敵な作品です。
不思議で癒されるお話です。新しい場所に移り住むというのは、しばらくの間は異物でいることになります。相性もあるので、ずっとなじまないこともある。それでもいつの間にかやっていくうちに、橋渡ししてくれる存在がいて、その場所の者としてなじんでいく。それが人でないことも、時にはあるのかも?雨や雨音が好きな人なら、きっと好きになるお話だと思います。
梅雨入りの田舎町を舞台に、古民家に越してきた主人公と謎の存在との静かな交流を描いた情緒あふれる一編です。都会の喧騒から離れた平屋の空気感や、しっとりと降る雨音、むせ返るような緑の匂いが丁寧に描写されています。恐怖の導入から一転して胸が温かくなる展開や、怪異でありながらどこか愛おしさを感じさせる『不思議な客人』の佇まいが魅力的です。怪異は登場しますが、優しく柔らかな余韻が残り、雨の日の読書にぴったりのしっとりと美しい短編です。
山間の古民家と言うと、日本は湿度が高いから基本ムワッとしてるんです。でも山だからひんやりしているという……。この作品の舞台となる民家はもう少し新しいようですが、それでも雰囲気(まさに)は同じと思います。現れた存在は――座敷童のような存在、でしょうか。どことなく『ずーぶ濡ーれ、おー化けがいーたらー♪』的なアトモスフィアも漂ってます。きっとそれは、騒がしい都会から解放された安堵と、一抹の寂寥が見せた、優しい存在だったのだと思います。
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