これは本当に素晴らしい作品です!
「素晴らしい」よりも上の表現が欲しいのですが、あいにく適切な語彙が浮かんできません……。
和室で目を覚ました「私」は本を手に取ろうと妹の部屋にこっそりと侵入し、そこで鍵の掛かった引き出しがあることに気がついた。
鍵を掛けてまで隠したかった妹の秘密。好奇心に負けた「私」は、鍵の暗証番号に妹の誕生日を入力して難なく解錠してしまう。そこから出てきたのは――嫉妬にまみれた遺書だった。
古風な和の雰囲気を描き、散りばめられる不穏な描写はまさにホラーそのもの。そしてラストで明かされる戦慄必至の真相。ホラーとミステリーをここまで高次元で融合させられるとは脱帽する他ありません。
是非必要以上に身構えずにお読みいただきたいです。
果たして読み終えたあなたを待ち受けているのは、ホラー特有の背筋の凍るゾクゾク感かミステリー特有の騙された快感か。どちらなのでしょうか……。
身近な人のことを、わかったつもりになっていないだろうか。
妹の留守に、妹の部屋に入った姉は、興味本位で引き出しのカギを開けてしまう。
中には、「遺書」が入っていた……。
ある人物のことを恨み、妬み、自分を醜く思い、ついには死を選んだという恐ろしい遺書の内容。だが、本当に恐ろしいのはそこからだった。
姉にとって、妹はとても身近な人物だった。それこそ、カギの番号は誕生日ではないか、と推測できてしまうほどに。
でも、その心の中に何を抱えているのかまでは、わかっていなかった。
人の心の中に潜む、恐ろしい感情を見事に描いたホラー作品。
最後に待ち受ける、衝撃の展開をお楽しみに。
非常にミスリードが巧みな作品で、私は見事に作中のあることに対して騙されてしまいました。
主人公は朝、目覚めて、朝食を取ろうとするのですが、昨晩、父親が倒れたことで家の中が慌ただしい様子だったので、今朝はご飯を食べるのをあきらめることにしました。
そして、彼女は昼食まで読書をして暇を潰そうと、本がたくさんある妹の部屋に行くことにしました。
妹は友人と蹴鞠をしに出かけているので、家にはいないようです。
妹の部屋に入ると、主人公は鍵がかかっている机の引き出しを見つけるのですが、何が隠されているのか気になり、試しに暗証番号を入力し、解錠すると、中にはなんと……!
……引き出しの中になにがあったかは実際にあなたの目で確かめていただきたいです。おそらくびっくりすることになると思います。
私はこの時点でも驚かされたのですが、物語のラストでもう一つ、衝撃的な事実が明らかになり、「ファッ!?」と思わず大声を出してしまいました。
ジャンルはホラーだけど、ミステリー要素もあり、叙情トリックが好きな人は楽しめる作品だと思います。
読めばきっとあなたも驚嘆することになるでしょう。短いですが、とても満足感のある作品でした。超おすすめです!