ホラーとミステリーの完全なる融合!あまり身構えずにお読みください!
- ★★★ Excellent!!!
これは本当に素晴らしい作品です!
「素晴らしい」よりも上の表現が欲しいのですが、あいにく適切な語彙が浮かんできません……。
和室で目を覚ました「私」は本を手に取ろうと妹の部屋にこっそりと侵入し、そこで鍵の掛かった引き出しがあることに気がついた。
鍵を掛けてまで隠したかった妹の秘密。好奇心に負けた「私」は、鍵の暗証番号に妹の誕生日を入力して難なく解錠してしまう。そこから出てきたのは――嫉妬にまみれた遺書だった。
古風な和の雰囲気を描き、散りばめられる不穏な描写はまさにホラーそのもの。そしてラストで明かされる戦慄必至の真相。ホラーとミステリーをここまで高次元で融合させられるとは脱帽する他ありません。
是非必要以上に身構えずにお読みいただきたいです。
果たして読み終えたあなたを待ち受けているのは、ホラー特有の背筋の凍るゾクゾク感かミステリー特有の騙された快感か。どちらなのでしょうか……。