「悪魔」vs「エクソシスト」。心理学を駆使してエクソシストを排除せよ!
- ★★★ Excellent!!!
本作の主人公は有名な心理学者・フロイト。彼は人間と見せかけて実は「地獄の大悪魔」だった。エクソシストによって祓われてしまうのを回避すべく、彼が繰り出したのが心理学。悪魔の仕業を全部「心の病」のせいにすることで、悪魔の存在そのものを否定しようと画策したのだ――。
「19世紀の心理学」などというかなりニッチな分野をテーマにされていて「攻めてるな」という印象を受けたのですが、読んでみたらやっぱり面白かったです。発想の妙が鋭く光っています。黒澤先生安定のコメディミステリーでした。
フロイトの「悪魔否定」のための心理学は完璧のように見えたものの、当然そうそう上手くはいかず。
ある日「カール」という少年が悪魔特有の行動を取りまくり、「自分は悪魔だ」とまで言い始めます。フロイトは彼の全ての言動を「心の病」のせいにするべく、あれこれとこじつけようとします。しかしカールの行動はエスカレートしていき――?
カールがエクソシストによる悪魔祓いをも顧みずに「自分は悪魔だ」などと主張する理由は何なのか。ストーリー全体にそれとなく漂う違和感の正体とは。
果たしてあなたは作中の謎を解き明かすことができるでしょうか……!
予想外のどんでん返しの連続にあなたはきっと驚愕する!