緑月文人

　友達がいなく、トイレの個室でお昼を食べる主人公。 　お化けでもいいから傍にいてほしいと思った彼女は、花子さんを呼びだそうとするものの……。 　怖い話かと思いきや、主人公と花子さん…続きを読む

　付き合っていた彼女がこっそり浮気をしていたと知り、落ち込む主人公。 　そんな彼の前に現れたのは、二人の少女。 　タイプは違うが共に見目麗しい彼女たちの正体は――。 　人間社会に順…続きを読む

　主人公は、ラブレターを書いて告白を重ねてもフラれ続ける男子。 　今度こそ意中の彼女を掴もうと、恋文の内容を考えていると、恋文を書いていた机が大きな口を開けてしゃべり始めた……何…続きを読む

　この作品の主人公は、文芸翻訳を仕事にしている女性。 　彼女が恋人へあてた最後の手紙を書き残して、恋人と暮らした家を出ていくシー家を出ていくまで至る経緯が、透明感のある文体で淡々…続きを読む

主人公は、高校に通い始めた人間の少女。 　バイト先を探していたが、日々落ち続ける。ようやくバイト先が決まるが、そこは妖怪が出入りするレストランだった……。 　妖怪ものですが、全体的…続きを読む

　戦国武将 の一人、赤松広秀という人物の生涯を描いた小説です。 　豊富な知識をかみ砕いて丁寧な筆致で綴られているだけではなく、短くもよくまとまっている読みやすい作品です。 　歴史小…続きを読む

　鹿児島県肝付町・権現山を舞台に、妖怪のトライアスロンレースが開かれる。 　出場者たちは一反木綿。その主催兼実況もまた一反木綿。 　天狗のお酒をかけて、盛大などんちゃん騒ぎをする妖…続きを読む

　秋田県に伝わる民話「米子と夜叉鬼」を元に描かれた、鬼と人との異類婚姻譚です。全体的に、童話や児童文学のような雰囲気を感じさせます。 　読みやすく綺麗に纏まっているうえに、元の伝承…続きを読む

　主人公は、日本から派遣された南極探査員。 　南極の基地で環境調査をしていると、ある日南極の氷の中に閉じ込められた古代人を発見する―― 　南極調査に関して、知識はほとんどないのです…続きを読む

　主人公の男の子は、特異体質のせいで友人たちから様々な呼称を与えられています。 この設定だけでもかなりインパクトがありますが、彼が勇気を振り絞って言った言葉に対する、女の子の返答も…続きを読む

ノンフィクション作家志望の主人公は、自分が暮らす第四女子寮で八年前に起こったふたつの事件を調べていましたが、やがて、鳩の顔の赤ずきんという恰好をした何者かに命を狙われるようになりま…続きを読む

　ほかの方のレビューにも書かれていますが、児童文学や童話のような文体と雰囲気が印象的な作品です。 魔女が出る物語だけでなく、童話風の作品が好きな方にもお薦めです。 　物悲しくもどこ…続きを読む

夏の田舎町で始まる物語。 怪談、コックリさん、七不思議、等々……。怖いけれど、何故か惹きつけられるあれこれに、小学生のミコトと零は関わっていくことになります。 　コミカルなシーンや…続きを読む

スサノオのヤマタノオロチ退治というのは、割と有名なエピソード。
本作はそれをシンプルで読みやすい文体で、きれいに纏めて描いています。
元ネタをよく知らない方にも楽しめる良作です。

　幼なじみの少年少女をいずれ巣立つ雛鳥と重ね合わせて描いた、瑞々しい印象の短編です。
　背景描写や心理描写等も細やかで、登場人物のやりとりもテンポが良くて好きです。

この物語は、インフルエンサーとしても活躍する少女・マリアのの殺害動画がSNSで投稿されるところから始まります。 新たに投稿された内容で安否が確認されたように見えた。だが、彼女は本当…続きを読む

　主人公の男性の、淡々とした一人称で綴られる短編です。
　しんしんと降る雪を連想させるような、静謐で独特の雰囲気が好みでした。
　読みやすい短編をお求めの方は、ご一読を。

　とある女性が、出会えば幸運をもたらす福の神とも言われている座敷童に会い、バズる動画を撮ろうとするが…… 座敷童というと可愛らしいイメージがありますが、この作品に登場する『座敷童』…続きを読む

　ほかの方のレビューにも書かれている通り、設定がユニークです。 　主人公の男性はロボット、そしてその奥さんは魔女。 　何故そうなったのか、気になる方は是非ご一読を。 　設定がユニー…続きを読む

舞台は、魔法によって成り立つ世界。魔法使いになるための契約には、代償を支払う必要がある。 　ほとんどの場合、魔法使いになる者は『それ以外には選択肢のない者』ばかり。 物語の主人公で…続きを読む

アンデルセンの描いた有名な童話『人魚姫』。 その裏に潜む、知られざる物語。 童話をモチーフにした話や魔女が登場する話が好きな方や、切なく物悲しい印象の短編を読みたい方にお薦めです。…続きを読む

苦しい家庭状況で暮らしていく中で、少しでも家計のたしになるようにと働く女の子が主人公の短編です。
　短くも綺麗に纏まっていて、最後は少しほっとするような優しい印象でした。

新九郎こと伊勢宗瑞（北条 早雲）という一人の武将について、書かれた作品です。 時代ものや歴史ものは、なんだかややこしくて堅苦しくて苦手だ、と思っている方にもお薦めです。軽妙な文体で…続きを読む

時は昭和。主人公の男性はとある田舎で女性を助け、保護します。 実は、その女性は狐。しかも古くから伝わる「おさん狐」の一族の娘でした。 　他の方のレビューにも書かれていますが、一話…続きを読む

若い頃は色々ヤンチャをしていたが、今は子供たちを指導し守る小学校教諭として働いている主人公は、魔法使いとなりました。 　主人公の一人称で書かれたこの作品、コミカルな短編でとにかく…続きを読む

剣の製造に追われ、忙しい日々を過ごす鍛冶屋のブラッド。 ある日、彼は店先にいる少年に目がとまり…。 　作品の雰囲気が、児童文学めいていて非常に好みで、終わり方も「ああ、綺麗にまと…続きを読む

ネコ探偵・マタナイ。彼の元へひとつの依頼が舞い込んだ。 依頼者は、一匹のママ猫でした…。 　何となく児童文学めいた、独特の雰囲気が好みな短編でした。 　猫が好きな方、児童文学風の…続きを読む

　歴史ものというと、やや堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、この作品は読みやすくどこかコミカルな文体と、豊富な注釈のため、ほのぼのとした柔らかく、読みやすい印象です。 歴史もの…続きを読む

　「カクヨム」投稿を始めたこと、応援コメントをもらったこと、他の人の作品を読むこと・・・ カクヨムを始めたことに関するあれこれを、読みやすい文章でさらりと綴られています。 書いた方…続きを読む

主人公の少女・神崎心はクラスメイトの女子から、普段仲良くしている男子との交際への協力を頼まれ、引き受ける。 そこからこの物語は始まります。協力していくうちに、彼女は最初気づいていな…続きを読む

　学校帰りの駅で、いきなり酔っ払いに怒鳴りつけられた主人公。 周囲の人は遠巻きに見るだけ。恐怖で立ちすくむ中、かけられた声は・・・ 読み終えた後に、じわじわと心地いい読後感がひろが…続きを読む

　小さいころに読んだ絵本や童話のような、優しく柔らかな文体で綴られる物語。
『戦争』をテーマにしていますが、作者さんの真摯な考えがにじんでいて、読んでいて心地いい作品です。
　

主人公は、運動音痴の少年。そんな彼が、隣りの家に住む足の速いお姉ちゃんと一緒にマラソンの練習をするが…。
短くも、しっかりとした構成と読みやすい文章ですらりと読める、良作です。

校長先生に呼ばれた数人の子供たち。彼らへの『校長先生の大事なお話』とは…。
ふわりと柔らかくて切なく、だけどとても優しい雰囲気の短編でした。
最後の一文が個人的にお気に入りです。

雨が降ると、どこか憂鬱な気分になりがち。 それでも、雨が降らないとお目にかかれない景色もあるし、雨の中でしか味わえない思いもある。 　雨が好きな二人の、ちょっとした時間を描いた良作…続きを読む

主人公の男性は、ある日車に轢かれそうになって避けて転んだ時、頭を打ってしまう。それ以来、動物の話していることが分かるようになる。 悩む彼に、話しかけた一匹の猫、タマ。主人公とこのタ…続きを読む

主人公の男性は、ある日、自分の意思とは無関係に川に飛び込んだ。 ───夢遊病者のように。その理由とは・・・。 『エイリアン』等のSF映画のような恐怖を味わえる短編です。最後まで読み…続きを読む

とある家庭で子供に将棋をさせようと思いついた、母親のアイデアは『特製のチョコレート将棋』であった―― タイトルで気になって読んでみましたが、『ドタバタ・ホーム・コメディ』と記載され…続きを読む

失敗するのが怖い。頑張らなきゃいけないのはわかっているのに、頑張れない。 そんな引っ込み思案の内気な女の子が、初めての握手会へ行く。 彼女の心理描写が、細やかな筆致で優しく綴られて…続きを読む

山の動物学校である山の神さまが、人間社会の様子を眺めて考えたのは…。
現代的な要素も織り交ぜつつも、童話のような優しい文体と雰囲気のせいか、どこか懐かしい感じの作品です。

女学生にして令嬢である塚本美津江が、一本の万年筆を拾ったことから始まる、妖しく不可思議な物語。 大正時代の帝都を濃密に描き出す、妖しくも美しい文体がすごく好みでした。 物の怪。言霊…続きを読む

人生は他人と競ってナンボ。 そう思って生きてきた独身の中年女性が、以前は嫌っていたインスタント食品の味を「これからも楽しもう」と思えるようになった心境の変化が、優しく丁寧に描かれて…続きを読む

主人公が思いを寄せるのは、御年五百歳の神様だった―― あとがきにて、「命の違う者同士の日常での恋愛」をテーマにしたと記載されてあるのですが、重苦しくない雰囲気でさらりと読める短編で…続きを読む

自宅待機となった主人公の自宅の前にあった何か。 綿のように真っ白で、フワフワしたそれを「ケサランパサランみたい」と思ったし主人公は、その愛らしい毛むくじゃらを中に入れるが……。 後…続きを読む

古典文学や伝承、民話や説話など、有名な物語について、解釈や分析が淡々とつづられています。 作者さんの豊富な知識がにじむ怜悧な筆致が、読んでいて心地いいです。 個人的にお気に入りなの…続きを読む

『東京の人は冷たい』
よく聞く言葉ですが、そんな言葉に反するような出来事を軽快な筆致で綴ったエッセイです。
読み終えた後に、ほっこりとした心地になれる良作です。

　最初に見た時は、「狐降る夕、てどういう意味だろう」と思い、幻想的で綺麗なタイトルに惹かれて読んでみました。 　読み終えた時は「これはすごい」と思いました。 精緻な筆致で綴られる描…続きを読む

一児の母である主人公の耳に入ったのは、子供の虐待死のニュース。他人事とは思えず、逮捕された母親に自分を重ねるが…。 　子供を育てていくことへの不安と孤独を描きながらも、どこか優しく…続きを読む

お湯を注いでから、5分も待てないほどせっかちな主人公。 急ぎ過ぎた結婚を経て、行き場をなくし、迷子になっていた彼に声をかける人は――。 　短くもきれいにまとまった、優しい雰囲気の作…続きを読む

　小さな魔女アドリが訪れるのは、魔力を持たない魔法使いや魔女が住む土地。そこへ住む母の友人の元へ訪れる意味とは・・・。 　細やかな筆致でつづられる描写が綺麗です。童話のように柔らか…続きを読む