タイトルから、コメディタッチな作品なのかなと思っておりました。 読んでみると、主人公である内向的な青年ロベルトが一人の令嬢へ向ける愛情が、細やかに丁寧につづられています。 狂信的だがひたむきな愛情の物語の結末は、他の方のレビューにも書かれている通り納得のいくものでした。 どういうことか知りたい方は、ご一読してみてください。
まるで、疾走感のある歌のような感覚です。ルビやセリフ回しが巧みで、神聖、あるいは荘厳な世界感に浸れるでしょう。
作中で描かれている主人公の推しに対する愛を見れば、本作の結末を予想外だとは思っても、納得できないものだと思うことはないと思います。とても尊い物語でした。ただ、本作を読んで自身の推し活について、少し省みようかなと思うことになりました(笑)
この小説は、愛と奇跡、そして主人公の努力と信念を描いた感動的な物語です。あなたも奇跡の瞬間に立ち会ってみませんか?
貞節に身を捧げることの意味がどれほどあるか、というのは欧州のような複雑な血縁状態の封建的宗教的国家体制では実のところ極めて重大な意味合いを持つ。特に各都市国家商業国家の規模が近接するイタリア半島諸国では致命的な意味合いを持っていた。面子の上でももちろん実際上の意味でも。そういうかなり史実的な意味合いを持った物語。幻想的であり史劇的でもあります。大変によろしいと思います。