概要
舞台はフランス、パリ。
中世ヨーロッパの風情を残す美しいこの町は、世界と共に8年前、神々によって一度半壊している。
……
本来世界は3つに分かれているはずだが、それも上手く機能していない。
生も死も、魔法さえも渾然一体となった、終焉のような、はじまりのような、正に《カオス》
神の支配する残酷な世界に生きる人々にとって《救い》とは一体何なのか
―これはすべてが伏線。
魔法の《秘密》と《謎》がすべてが繋がった先にあるのは、もしかしたらみなさんも知っている世界かもしれません。
◆◇◆
※神話をモチーフにした描写やキャラクターが登場しますが、すべて創作でありフィクションです。
※話ごとに視点が冒頭
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!霧の中で立ちすくまないで。前に進むのです、勇気を持って。
本作が Web 小説として、いや、商業小説として構成が適切かと問うと、是と言い難いところがあります。
物語の開始時点で全貌を明かさないのは昨今の小説としては課題があります。冒頭の事件は、とある少年の視点から語られます。幼い故に世事をしらず、事件の背景が分かりません。
ですが、その少年は少しずつ世界を学んでいき、同時に読者も世界を学んでいきます。少年の成長を追体験します。
その様子は、周囲の霧が次第に晴れていくような。
この小説を読み始めたなら、霧の深さに諦めて引き返すことはしない方がいいです。明らかになっていく世界は広大です。
作中で語られる、魔術師と非魔術師の隔絶には心を打ちのめ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み初めのファンタジーがこれでよかった!と思える作品
最後まで読み切れていないうちから、書かせていただくことをお許しください。
こちらの小説、安定した世界観を持って書かれているために、なにも基礎知識を持たない私のような人間にも、理解しやすいファンタジーです。
補足なしで専門用語を駆使する、その他多くのファンタジーとは異なります。
これは私にとって、本当にうれしいことで、それだけでもすでに読みたいと思えます。
一般読者を置き去りにしない、最後まで引っ張ってくれるストーリー展開です。
フランス語によって導かれるところも、魅力的なところです。
昔フランス語を嗜んだ方なら、きっと復習もかねてお気に入りになりますね!
最後まで楽しませていただきま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!群像劇で綴られていく、繊細で美しいファンタジー
物語の舞台はフランスのパリ。
中世西洋の雰囲気を残したこの街で存在するのは魔術師と非魔術師。彼らの違いは魔法が使えるか、そうでないか。
とある人物の死から始まるこの物語は、さまざまな人物によって視点が切り替わることでストーリーが進んでいきます。
少しずつ明らかになっていく魔術師と魔法の存在。そして神話と過去に起こった大災害。生き残った人々、災害で一命を取り留めた者、人の命を救った者。
物語で語られていくそれらすべてが伏線であり、繋がっていく。
紐解かれていくその物語は、緻密に描かれたファンタジーであり、ミステリーであり、人と人との繋がりを描いたヒューマンドラマでもあります。
そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!混沌とした世界、神々は一体何を……!?
重厚的、かつ複雑な人間模様の織りなす世界観を持つ本作。
魔術師と非魔術師、生者と死者、そして神々……現実的なものと非現実的なものの境界が崩れてしまった世界の描写には驚かされましたが、各話ごとに入れ替わる登場人物の視点を通して、世界の秘密が徐々に明かされていくという展開には魅了されっぱなしでございました!
10歳にも満たない少年たちから一体何歳だ!?と思われる大人までが登場し、意外なところで繋がりを持ったり、また厳しい選択の末に別れたり……この群像劇スタイルが素晴らしく、読み進めるたびに、次が気になって仕方がありません!
そして、もっとも驚嘆したことは、「魔術師/非魔術師」や「生者/死者…続きを読む