Épisode 2 ◆ VÉRITÉ 《真相》
ep.1 ◇ Prologue
1. PROLOGUE《序章》
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
マリア様、マリア様、Ave Maria
僕を、この小さな世界を、お救いください
―ロン
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
◇◆
アヴェ・マリア 恵みに満ちた方
主は貴方のお導きの元で祝福されています
神の
わたしたちのために、
今も、死を迎える時も、お祈りください。
アーメン。
ここは街で1番大きな大聖堂。
ロマネスク様式と初期ゴシック建築が混ざりあったような、歴史ある建物……だった。
8年前の大災害の時にここも一度半壊している。だけど、アンリさんが特殊魔法『créer tout』で復元した。アンリさんの魔法はすごい。
本当に、災害前の形がそのまま再現されている。
8年前に半壊したことなんて、今では全然わからないくらいに。
……そんな大聖堂で毎日祈りを捧げるのが、俺の日課。
エリックがいなくなってから3ヶ月が経つ。
その間に夏休みは終わり、俺たちは3年生になっていた。
そんな、秋。
学校の奴らも、そんなエリック不在に少しずつ慣れてきたように見える。
ロンは……少し、痩せたようだ。
エリックがいなくなったのが堪えているのか、それとも《検査》がつらいのか
その両方かもしれない。
俺とロンは、エリックとは1番仲が良かったから
それでも定期的に《検査》に向かうあいつは、目からは光が消えたようにぼーっとして元気がなく、どことなく恐怖の色が滲み出ている
話しかければいつもと変わらないように振る舞うが、明らかに無理しているのが分かる。
あいつが心から思い切り笑った姿を最後に見たのはいつだったかな…
人を救うって、なんなんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます