概要
源氏の嫡流・源為義と美貌の白拍子の間に生まれた八郎為朝は、史記や三国志に描かれた項羽、呂布や関羽をも凌ぐ無敵の武将! その誕生の秘密と生涯は?
鳥羽院の寵姫となった母に捨てられ、父に疎まれながらも、誠実無比の傅役・重季、若き日の法然上人や崇徳院、更には信頼できる仲間らとの出会いを通じて逞しく成長。
京の都での大暴れの末に源家を勘当されるが、そんな逆境はふふんと笑い、放逐された地・九州を平らげ、威勢を轟かす。
やがて保元の乱が勃発。古今無類の武勇を示すも、不運な敗戦を経て尚のこと心機一転。
英雄神さながらに自らを奮い立て、この世を乱す元凶である母・玉藻、実はあまたの国々を滅ぼした伝説の大妖・九尾の狐との最後の対決に挑む。
激動の時代・平安最末期を舞台に、平清盛、源義朝をはじめ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!歴史とは記号的な物事の羅列ではない。過去に生きた者の行動の軌跡である。
大昔に人がどういうふうに生きていたか。
私は、正直あんまり想像できません。
歴史モノ、時代モノ、伝奇モノ。
過去の日本を舞台とした物語を読んではじめて、なんか知った感じになるものです。
特に人物が血肉を備えているように人間らしく描かれ、行動するさまを見せられるときに、やっと過去の出来事が人間の行いの関わりの中で起こったのだと思える。
そんな私は、かなりの歴史弱者です。
本作の主人公、鎮西八郎はその能力の他はまったく人間らしいのです。
彼の行動を眺めつつ、後に続くように読み進めるならば、自然と物語の中、深みのある歴史の変遷の渦中へ連れて行かれることになるでしょう。
まだ本作を見ぬ方はE…続きを読む - ★★★ Excellent!!!八郎為朝、押して参る!
妖狐や傾国の美女として名高い、玉藻の前。その子供として生まれたのが主人公の八郎だった。しかし父親は妊娠期間の短さから、主人公が自分の子ではないのではと疑い、厳しく当たる。そんな中で育った主人公の性格は、よく言って磊落。悪く言えば短気で焦慮だった。
しかし、父親から見張り役として与えられた青年は、主人公が小さな器ではなく、狭い世界に留まる人材ではないことを見抜いていた。そして商人として様々な人を見てきた老爺もまた、主人公が大器だと見抜き、青年にアドバイスを与える。
そして主人公は武芸の道を極めながらにして、寺に預けられる。そこで主人公は真理を追究して日々を送る兄弟子に出会い、深く自分や世…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大胆な仮説を、ドラマチックに仕立てた物語!和風ヒロイックファンタジー⚔
日本史の細かな知識がなくとも充分に楽しめる、エンターテインメント性に富んだ物語です!
美貌の白拍子「玉藻」の正体が、ファンタジー好きにはお馴染みの九尾の狐と言うところからも、このお話が堅苦しいものではないと察せられるところ。
かといって、ただの絵空事のみで構成されるのではなく、登場人物の、あまり表に出ない為人を掘り下げたキャラクター作りは歴史好きにも楽しめると思います!
3歳にして早くも怪童の片りんを見せ始めた八郎(為朝)の行く末は如何に!?
末恐ろしい八郎を主人公とした、和風ヒロイックファンタジーを一緒に楽しみましょう!