この作品は現地主人公ものの異世界ファンタジーですが、特筆すべきなのは異世界転移または転生してきたと思われる、テンプレ感強めのなろう系主人公っぽい人物がメインキャラクターとして登場することにあるでしょうか。
そのような作品が多くあることは存じています。しかし、たいていは単純な噛ませ犬的な役割に甘んじていることが多いのではないでしょうか。噛ませ犬的な部分もありますが、この作品ではそのキャラクターへの愛を感じました。
テンプレにもテンプレの良さがあると思います。それを完全に否定せずリスペクトし、ストーリーにうまく組み込んでいるのが、好印象でした。
現地主人公の方については、S級冒険者でチート級の強さを誇り、なによりセリフや演出が一々かっこいいです。なろう系主人公っぽい人物が三枚目的な役割を担い、ますます現地主人公がかっこよく見えてくるような、そんな図式です。
異世界ファンタジーのテンプレ好きの方も、そうでない方にも広くおすすめできる作品だと思います。