戦闘力は間違いなく最強。しかし心は強く優しく、時に脆い。

人類最強格の1人であるS級冒険者、シド。
『銀龍』という名でも呼ばれる彼は、圧倒的な戦闘力で目の前の敵を圧倒していきます。

しかし、強さがあっても、全ては救えない世界。
彼も決して万能の主人公ではありません。

むしろ彼の内面は、年相応の十代の若者。
強すぎる戦闘力を持っているがゆえに、心とのバランスがどこかちぐはぐに感じられるほどです。

つい背負い込みがち、無茶しがちな危なっかしさ。
過去を悔やんだり、故郷に負い目を感じたり、助けきれない命を目の当たりにして無力感に苦しんだり……
自らの強さに責任を持っている誠実な彼だからこそ、時に迷い、葛藤するのでしょう。

そんなシドの周りには、仲間が集まります。彼の強さだけを必要としているのではない、弱さごと受け入れて支えてくれる仲間たちです。

もう一人の主人公格とも言える存在が、異世界からの転生者ユート。
チート無双を期待して転生してきた彼も、否応なく厳しい現実と向き合うことになり、やがて目覚ましい成長を遂げ、シドを支え共に戦う存在へと変わっていきます。

万能感も、チートもない無慈悲な世界。その中でもがきながら自分なりの答えを見つけていくキャラクターたちのドラマ、時には涙腺が刺激されることもあります。強くて、弱くて、人間臭い彼らの物語、心に残る一作として、オススメです!

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