女子高生スナイパー×元勇者パーティのおじさん、という異色のバディもの。
「異世界転移×スナイパー」という組み合わせがまず斬新でワクワクします!
セーラー服でライフルを構えるJKの姿がまた絵になっていて、読んでいて自然と映像が浮かぶ。
女子高生らしい言動と、落ち着いたおじさんとの時どき噛み合わないやりとりが小気味よく、微妙なズレ感がなんかリアルだーと思ってしまいます。しかし、世代間ギャップ&異世界ギャップを抱えつつも、少しずつ関係が深まっていく感じがとても好きです。
戦闘シーンもリアルで迫力があり、テンポよく進む物語にどんどん引き込まれてしまいました。
JKがかっこよくて推せる一作です。
歴史は繰り返される。
不倶戴天の敵"魔王"を討伐した後、共通の敵を討った人々は、今度は身内同士で血で血を洗うような闘争を繰り広げるようになる。
そんな最中、嘗て勇者パーティ所属の重装騎士だったオジさんは、熱砂に包まれし戦場にて運命の邂逅を果たす。
その相手は、大口径のスナイパーライフルを携えた、セーラー服姿の少女"JK"だった。
よく、剣と魔法の世界に銃火器を持ち込んだらどうなるのかという議論がファンタジー界隈では繰り広げられているが、本作はそれを形にしたような作風の物語となっている。
歳不相応に肝が据わり過ぎているJKと、過去の英雄たるオジさん。年の差が離れ過ぎている凸凹コンビは互いに背を預け、戦火に身を投じてゆく。まるでその場にいるのではないかと錯覚させられる戦闘描写は見事としか言いようがない。
命ある限り戦火に抗う二人に幸あらんことを──そう思わずにはいられない異世界戦記。
剣と魔法の世界に現代式銃を持ち込む。
はるか太古(30年前)なら叱責されていた内容ですが、今や手垢のついたジャンル!
……と思いきや本作、主人公JKが覚悟決まりすぎていて、異世界にいるはずなのに何故か現代社会の(ゲーム内も含む)常識で押し進むところがなんとも頼もしい限りです。
そして、相方の中年騎士、通称オジさんも歴戦の騎士だけあり、非常に格好良く頼りがいが有るのに、ふと見せる少年みたいなところがなんとも愛おしい。
そんな二人のコンビが進み先には何が有るのか?
まだ自分は最新話まで到達していませんが、先がとっても楽しみです。
そして、ほぼ毎日更新に脱帽します。
「剣とミリタリーの異世界戦記」とくれば、中世的世界に銃が持ち込まれた展開を想像するのですが……冒頭で、私たちがかつて歴史上に見たことがない世界を見せつけられます。
存在しなかった世界に JK。そうなれば、この "JK" は「ありえない」。この "JK" を JK と思えば、痛い目に……いや、火傷を負い……いや、銃創を負いますよ……
ぶっ飛んでます。しかし恐ろしく剛毅で頑健な精神です。でなければ超人的な戦闘能力を使いこなせません。
頭のネジが抜けているという言い回しがありますが、ネジ穴が塞がっていなければ振り回すと外れます。この JK は精神の全てを戦闘目的で結合させています。
この JK、頭のネジ穴を弾丸で留めてやがる! その手で戦場を生き延びてやがる!
ただし登場人物が全てぶっ飛んでいる訳ではありません。キャッチコピーにも紹介されるオジさん騎士は冷静かつ通常に合理的な軍人であり、戦場を離れれば貴重な紳士でもあります。いやあ、このお人がいらっしゃらなければ、戦果は上がっても情景がどれだけが迷走していたか……
軍事は、冷徹な技術と兵站の運用を、殺人と被殺害を怖れぬ精神でつなぎ止める、理性と狂気の接合で成り立ちます。筆者は軍事に詳しいのでしょう。両方を兼ね備えています。慣れぬ人間、例えばこのレビューの筆者、は狂気に言葉を失ったりしますが、そこまで突き詰めねば軍事ではありません。それは善悪を抜きにして。そう、善悪を抜きにして、やったもん勝ち。
強い奴が強い。このトートロジーがむき出しになる戦場で、読者は無敵な存在の技術として精神を体感します。読んでいるだけで頭が振り回されます。まぁ、普段は体験できない非日常です。
異世界に転移したからには、キチンと非日常を。そして人間の域を超えた全能を。その願いを読者の期待以上に叶える一作です。