ep.3 ◇ Eric
3 ◇ MONOLOGUE : Qui est-il ?《一体何者?》
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3章 モノローグ
今朝、《マリア》様を見た気がしたの。
あの子は一体、何者なんだろう
ーハル
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◇◆Haru◆◇
この世の中はどうしてこんなにも混沌なのだろう。
死者さんはね、透けて見えるからわかる。
こんにちは、って挨拶してみたこともあるけど、死者さんから私たちのことも見えていないみたい。
だけど、彼らは彼らのことが見えているのか疑問に感じる。
死者さんは死者さんどうし、見えているの?
そこに感じる《孤独》……一緒にいるようで、一緒にいない。
それぞれ一人一人が、一人でその世界を生きているような違和感
それから一つ、不思議に思っていることがあってね。
私は見たことがないの…魔術師さんの死者の姿
なにか秘密があるのかな
魔術師さんたちは、死後どこへ行くんだろう
混沌から死者を天界へ導いてくれる、《マリア》様…
私は今朝、本当のマリア様を見たような気がしたの。
そこにいた人は、みんなそう思ったに違いない。
慈愛に満ちた光で溢れていた
遠くから見ても、はっとするような柔らかい光だった
その中心にいたのは、優しげで、中性的な顔した可愛い子だった
《マリア》様って女の人だと思っていたけど、短い髪したあの子が着ていた制服は男の子のものだった
あの子は、胸の前で手を組んで、祈るような姿で、そこにいた人々を圧倒していた。
私からは遠くて、あの街中であの子が何をしていたのかよくわからなかったけれど、
人々はみんなその子を「《マリア様》のようだ」と口をそろえて言っていた。
……そしてこれはのちにこの町の噂となる
あの子は一体何者なんだろう?
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