概要
猫はその一生のうちに一度だけ、人の言葉を話すという。
人間の言葉を話す猫「ハイデルベルク」と、その飼い主「かのこ」の心温まる物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!猫はそれぞれ、何のために人の言葉を話すのか。
すべての猫が一生に一度だけ「人の言葉を話す」ことができる世界。
それぞれの猫が、それぞれの目的で、それぞれの相手に使う限られた奇跡。
猫飼い「かのこ」の飼い猫「ハイデルベルク」は、何を意図し、その機会をどう使ったか?
言語は意図を、想いを伝えるための道具ですが、思考のための道具でもあります。
人の言葉を使う瞬間は、猫も人の語彙で思考するのでしょう。
猫はまず猫の言葉で思考し、人の言葉で何かを伝えたいと思った相手に、人の言葉で思考した言葉を告げる。
その「一生に一度」が終わった後も、人の言葉で思考した記憶を、猫の言葉で思い返すこともありましょう。
短い中でも主人公達を好きになり、その未来の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!猫さん。君が言葉を喋れたら、どんなことを語ってくれるの?
こんな経験がある人、いらっしゃらないでしょうか?
道を歩いていて、突然猫から「にゃ!」とか話しかけられる。自分のことをじっと見ていて、何か言いたそうな感じはする。でも、「何を言いたいのかわからないよ~」と、妙にもったいない気持ちになった経験。
こういう時、猫の言葉が話せたらいいって思いますよね。過去に何度か猫に話しかけられた経験がありますが、結局用事はなんだったんだろうなあ、と何年経っても不思議なままです。
本作では、そんな想いが形を取ったかのように、「猫が人語を話せる」という現象が世の中に存在しています。
しかし、「話せるのは一生に一回だけ」という制約つき。
それでも、…続きを読む