優しい猫と見つける小さく温かな奇跡。

これは、優しい猫の物語だ。

何の気負いもなく、共に生活している猫。
だが、その猫にもちゃんと『心』があって
周りを気に懸けるぐらいの配慮はある。
ましてや、喜びや悲しみという 心 を
持っている。
      同時に、優しい人の物語だ。

小さな生き物への愛情、そしてその一生を
自らの人生の中に気負いなく置いている。

作者は猫との暮らしを実際に経験して
いるのだろう。物語の細部に優しい猫への
理解と思い遣りが見え隠れする。
 猫は一生のうちに一度だけ人間の言葉を
喋る。そして猫と暮らす人は人生に於いて
猫の言葉を話している。そんな気がする。
そして、小さな猫から様々な事を学ぶ。

猫も人も、心を通い合わせる事が出来る。
それは小さな奇跡であり

僥倖でもあるのだ。

その他のおすすめレビュー

小野塚 さんの他のおすすめレビュー623