この話を読んだ後に日記を書ける方は、かなりの勇者だと思います。 例えば……一日の終わりの眠りに就く前に、さて、今日あった事でも書くか……と、日記帳を手に取り、昼間に読んだこの話を思い出す。そして、ふとこう思うのではないでしょうか。「この日記帳は大丈夫……だよね……?」 じわりと、いつまでも続く恐怖を味わって下さい。
「人を喰ってしまう日記」と「私」の静かで壮絶な攻防の記録。日記は直接襲ってはきません。ただ、叙述トリックを仕掛けてくるのみ。しかしそれが確実に「効く」のです。じわじわと追い詰められていく恐怖に読み手側も焦燥感を募らせる没入型ホラーの名作、ぜひ体験してみてください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(106文字)
キャッチコピーに偽りなく、叙述トリックに襲われる物語に衝撃を受けました。読みやすい短編なのに、長編に勝るとも劣らないインパクトがあります。叙述トリックに翻弄されたい方は是非読んでみてください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(178文字)
ヒト喰い日記が徐々に書き手を狂わせていく。日記からの返信によって、書き手は自分という存在を見失っていきます。終盤にかけて畳み掛ける『叙述トリック』は、まさに脱帽の一言。昨日までの私は、果たして本当の私なのか――?はい、ペロリンチョ。食べられたのは、一体だれ……?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(96文字)
文章という表現方法をうまく使ったホラーショートショート!「ヒトを食う日記?そんなものあるわけない」と思って何かを書き始めたその瞬間から捕食が始まるのだ…!
叙述トリックと聞いて、どんなどんでん返しが来るかと思いきや、叙述トリックそのものに翻弄される話とは。発想がすごいですし、ある意味物書きとしての戒めのようでもありますね。(ちゃんと書かないと読者があらぬ方向へと誤解していく)面白かったです。
コンパクトな中に、じわじわと順を追って恐怖と緊迫感を盛り上げてゆく技術に脱帽です。非常にこなれた文章をうまく使って、最後のオチまであきさせずに引きこんで、きれいに落としています。こんなに完成度の高い作品を自主企画に投稿されてしまうと後の人が投稿しづらくなりそう。
切れ味の鋭い作品です。最初は何気ないやり取りからはじまりますが、少しずつ雲行きが怪しくなっていくのに気づかされます。日記という形式を巧みに利用した、多くの人におすすめしたい作品です。ホラージャンルのショートショートの可能性を感じました。