概要
結果、『大賞』をいただきました。
(あらすじ)
その日記は『ヒトを喰う日記』だとされる。そこに自分自身の情報を書き込むと、日記から標的と認定され、襲い掛かられるという。
その日記は『叙述トリック』を駆使してくる。いつしか自分は文章の中だけの『作中人物』となり、次々と叙述によって情報を書き換えられる。
叙述トリック。それは作中人物にとって、自らの存在を脅かす凶悪な呪法にも等しい。
この凶悪な攻撃から、果たして『私』は逃げられるのか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一時が万事の『かゆ うま』!!
黒澤先生の去年のお話ですね。
これは—……アルジャーノンに花束をとか、
もしくはSCPの依談とかが好きな方にはたまらん作品なのでしょうな。
まず構造が日記形式なのですが、冒頭で『日記の中で日記のことを語って』いるという、合わせ鏡のようなものから始まります。
叙述トリックが何かというと、まあ我々はこの語り部のことを何もわからないわけですが……
この語り部が隠そうとしていることを、この奇妙な日記が勝手に暴露していき、
我々はいちいち語り部に騙されていたのだということをその場で知ることになる……ということが連発して最後には? という物語にございます。
ところで黒澤先生といえば、毎日欠かさず…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この作者、天才すぎる……!
この物語は『人を喰ってしまう日記』というのを主人公が手に入れるところから始まります。そこに自分自身のことを書き込むと、最終的にはこの日記に喰い殺されてしまう……とのこと。
実際にどうなるかは……是非読んで確かめていただきたいですね。
この作者の作品にはこれまでも衝撃をたくさん受けていましたけど、この作品は一際衝撃的でしたね。
キャッチコピーに書いてある叙述トリックが私を襲うという記述。
なに言ってんだって思って読んでみたら、ほんとに襲っていて目が点になりました😯
こんなの普通は思いつかないし、思いついても普通はうまく書けないと思います。
素晴らしい作品でした。おすすめ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日記を書くときは、己のすべてを賭けなくては……!!!
以前、日記を付けていたことがあり、書いていた内容がまとまらずに創作していたことがありました。
数年後に読み返した時、「創作」したことを覚えているうちは楽しいのですが、「あれ、こんなことあったかな……」と本気で考え込んでしまうときには、自分の記憶力が怪しくなり、ちょっと怖くなってしまいました。
しかし、本作の日記が仕掛けてくる『叙述トリック』攻撃は、こんなのんびりしたものではありません!
日記にペンを走らせるその瞬間から、わが身を守らねばならないのです……!
とてもスリリングで、ホラーな傑作です!!!
是非ともご一読ください!