芝草

まるで、大人向けの、ちょっとおしゃれな童話集みたい。 一言でいうなら「エモい」とでもいうのでしょうか。 本作を読んで、真っ先にそう思いました。 本作は「むかしむかしあるところに」…続きを読む

舞台は異世界。物語は、主人公の14歳の少女：イルの故郷が謎の襲撃を受けることから始まります。 おだやかなイルの日常に降りかかる、突然の不幸。 彼女は父の最後の願いと共に、命からが…続きを読む

リュックいっぱいのサバイバルグッズと、謎の宝の地図。そしてワイワイと騒ぎ合える友達……。 これだけそろえば、もう説明は不要でしょう。 本作は、誰もが一度はあこがれたであろう、王道…続きを読む

とんでもない良作をみつけてしまったかもしれない。 読み始めてすぐ、率直にそう思いました。 そこから、気づけばほとんど一気読みをしてしまいました。 舞台は現代。主人公の高校生：蓮…続きを読む

舞台は滅んでしまったとある国。滅びの原因は、「氷の年」と呼ばれる長い冬。人も含め、多くの命がその冬で死に絶えてしまったのでした。 そんな世界で、二人の魔法使いが結晶の中から目覚め…続きを読む

主人公のちひらは、17歳の誕生日を迎える少女。 彼女は、隣の席の遥希くんから一日早い誕生日プレゼントをもらいます。 贈り物の中身は、美しい水色の御朱印帳。 そして迎える、誕生日…続きを読む

物語は、主人公の青年：希（のぞみ）と、相棒の満（みつる）が、とあるニュースを見ることから始まります。 そのニュースと言うのが、尋常ではありません。 睡眠不足の会社員が、十二人の人…続きを読む

舞台は異世界。剣と魔法、そして冒険者の活躍する世界です。 主人公の若い女魔法使い：ポーリンがとある要人警護依頼を受けることから、物語が動き始めます。 しかし、この依頼。どうも普通…続きを読む

舞台はお江戸。かの有名な田沼意次が権勢をふるう時代。 主人公は鳥天狗と呼ばれる妖。 彼の名前を紹介したいところですが……非常に困ったことが。 なんと、彼は突然の火事をきっかけに、…続きを読む

物語の舞台は、現代の名古屋。 主人公の伽耶は美しい女子大生です。 それはもう、街を歩けば男性が振り向くほどの美女でして。その上、運転手付きの車で送迎されるお嬢様。おまけに、使用人に…続きを読む

主人公は夢破れた青年：杞憂。 漫画家になるという夢を抱いていた彼は、自分の才能に限界を感じその道を諦めました。 そして、バイトをつづけながら人生に疲れた日々を送っていた時。 彼にと…続きを読む

街で時々見かけるストリートピアノがモチーフの作品です。 群馬県の高崎駅には、珍しい「赤いピアノ」が設置されているそうで。 どことなくレトロで上品な赤色が印象的でした。 見た目にも…続きを読む

誰もが一度は耳にしたことのある「打ち出の小槌」。 昔話ではおなじみのその名を冠した町――兵庫県の「打出小槌町」。 おとぎ話のような不思議な伝説の残るその町を、奇妙な老紳士と巡る短…続きを読む

大分県の鶴崎で催される夏祭りを舞台にした作品です。 主人公は仕事の休憩時間にお祭りへ行きます。 そこで出会うのは…… 夏祭りというノスタルジックな舞台で、次々と起こる異変。 ラス…続きを読む

引っ越しをして、同棲生活をスタートさせた男女の物語です。 荷物を広げる彼女が見つけた箱に入っていたモノは……さて、何でしょう？ 思わずキュンとしてしまうこと請け合いの素敵な作品で…続きを読む

物語の始まりは、とある公園にて。ちょっとスレた感じの男子大学生：徹が、一人の侍に出会うことから始まります。 現代の公園に侍？　しかも侍の隣にいるのは狼？ 困惑する徹の前で、侍は鮮…続きを読む

夏休みに祖母のいる鳥取に帰省した主人公。 家族で鳥取砂丘へ観光に行くことから、物語が始まります。 無邪気に砂丘の風景を楽しんでいる主人公。そこに現れたのは謎の少女で……。 主人…続きを読む

とあるマンションに入居を決めた女性。 でも、その部屋は殺された男の幽霊がおりまして。 ……あれ？　こういう形も同棲って言うのですかね？ ホラーのようで、思わずフフッと笑ってしまう…続きを読む

小学校の子供たちの間に、幽霊が出る場所がある、という噂話がありました。 夏休みの夜、少年と祖父がその場所へ向かってみるとそこには――！ ラストで読者をゾワッとさせる本作。 短…続きを読む

物語の舞台は、妖魔が潜む現代の東京。 依頼を受けて、人に害を及ぼす妖魔を退治する退魔師の見習いが、本作の主人公：翠です。 彼は故郷の里を離れ、一人前の退魔師になるべく、東京で妖魔を…続きを読む

物語のはじまりは、闇を走るバスの車内から。 何やら怪しいそのバスに、主人公の五歳の少女：あかりは一人バスに乗っています。 彼女は一人で亡き母の幽霊を探して、この怪しいバスに乗車した…続きを読む

物語の舞台は、異世界の田舎町。そこには、どんな怪我も病も癒す魔法の力を持った金の石の伝説がありました。 主人公は、そんな田舎町の少年：フルート。彼は、クールでケンカ嫌いな上、「お…続きを読む

ロンドンの近代警察、はじまりの物語です。 現代を生きる我々にとって、当たり前に存在する組織や制度。そこには、先人たちが考え、悩み、繋いできた歴史があることを、改めて意識させられま…続きを読む

主人公である私とバイト先の先輩との、交流を描いた作品です。 その関係は、ほのかに「恋愛」のような雰囲気を纏っているようにも感じますが、違うようにも思える、というなんとも繊細なもの。…続きを読む

「ボスを殺してください」 とある女が主人公の下っ端マフィアに、ボスの殺害を依頼することから始まるこの物語。 しかし、この依頼。 物語が進むにつれて、思いがけない話につながります。…続きを読む

時は大正。舞台は吉原。 遊女たちの間には、どこか妖しい噂話がありました。 「堀の向こうには裏吉原があり、そこでは苦界の苦しみはないよ」と。 そこに突如発生した火事。 それは、下働…続きを読む

人間の子：たき子と、鬼の娘：さくら。 互いに出会うことを避けていた種族の二人が出会い、対話をすることから、この物語は始まります。 鬼とは何か？　人とは何か？ そんな疑問を互いに抱…続きを読む

この壮大な物語は、一人の少女が名前を奪われたことから始まります。 奪われた彼女の名前は黒塗りのような状態になり、見ることも、声に出すこともできません。そのため、周囲の人間関係はど…続きを読む

舞台はとある骨董店。 店主のメザメは、年齢不詳で、和服の似合う、妖しい美男子。ちょっと意地悪で口が悪いのが玉にキズ、でしょうか。 ある日、彼の店に、女子大生：ツユが訪れます。 彼…続きを読む

物語の舞台は、とある「美しい」国。 ゴミ1つ無く、衣服も清潔、食べ物も新鮮。一見、理想的なその国の「美しさ」には、ある秘密がありました……。 そんな国で生きる魔道士：トーマスと、…続きを読む

祖母と一緒に朝から高尾山に登る少年：ワタルが出会ったのは、なんと天狗の子！ 彼がワタルに言うのは「ほら貝の吹き方を教えて」でした。 率直に、かわいい作品です。 屈託のない天狗の子…続きを読む

二人の女子高生の日常を描いた作品です。 テストの結果を気にしたり、お弁当を食べたり、ファミレスに行ったり……。 ごくありふれた日常を、独特な距離感で過ごす二人。 本作の第一印象は…続きを読む

幻想的な月夜の下、血しぶきの舞う闘いを繰り広げる不死身の男女。 どんなに互いを傷つけても、不死身の二人の闘いは終わらない……はずでした。 二人の長い闘いの結末は意外な形を見せるこ…続きを読む

遊具や広場だけでなく、鯉が泳ぐ大きな池に、四季折々の顔を見せる植物。 そして、神社のお社。 様々な設備がある、立派な公園。 「この公園を大きくしたのは、パパなんだから」 そういう…続きを読む

舞台は鬼と呼ばれる化け物がいる世界。まるで無慈悲な災害のように、鬼は村を、人を襲います。 そんな過酷な世界で、主人公の青年：鷹丸は旅をしています。 彼の目的は――ある恐ろしい鬼を封…続きを読む

崖の上の豪華な屋敷。裕福ながらも閉鎖的な家族。そこで起こった屋敷の主人の死！ 容疑者は皆、クセが強い者ばかり。その主張も、どこまで信じていいものやら……。 こうして並べると、まさ…続きを読む

雨上がりの路地にしゃがみ込む、一人の少年。その手には台所にあるようなスポンジ。傍らにはバケツ。 さて、この子は何者なんでしょう？ 自称「天使」の奇妙な少年と、主人公の女子生徒の…続きを読む

主人公の少年は、夏休みのある日、神社で虫取りをして遊んでいました。 そこに現れたのは、不思議な風鈴を大量に運ぶ、謎のおじいさん。 無邪気な少年は、おじいさんの運ぶ風鈴に手を伸ばして…続きを読む

主人公の女子高生：加納美紀は、宮崎くんから、なにやらしつこくお願いごとをされています。それはもう、土下座されるくらいに。 一体何を頼まれているかと言うと……キーワードはタイトルに…続きを読む

舞台は子供たちが魔術を学ぶ学校。 主人公の少女：アリスは、幼いころの記憶を失っていますが、明るく学校生活を楽しんでいます。 ある日アリスは、クールな男装の麗人：シェリーに出会います…続きを読む

舞台はとある町。神社や寺の多いこの町は、物の怪も多い町でした……。 主人公の十左衛門は真面目な高校生。朝から物の怪退治の修行に汗を流しています。 そんな彼が出会ったのは、物の怪を…続きを読む

まるで、喫茶店で隣の席のおしゃべりを聞いてるみたい。 しかも、その席は、なにやらワイワイと盛り上がっていて、楽しそう……。 本作に抱いた、私の印象です。 「社会学」という耳なじ…続きを読む

舞台は閉ざされた村。 その村では、雨乞いのため、村の若い娘を龍神様の「花嫁」として差し出していた……。 主人公のあやめは、姉が「花嫁」に選ばれたことが受け入れられず、泣いていまし…続きを読む

主人公の悠里は、自他ともに認める「ノロマ」な女子高生。彼女はある日、不思議なものを見つけます。他の人には見えないそれは、童話の中の道標のように、不思議な出会いへ誘っていきます。 …続きを読む

緊迫感のある描写、というのが本作の第一印象でした。 そして、種明かしの演出がドラマチック！ 冒頭の緊迫感とラストシーンの見事なギャップに「あぁ～、なるほどね！」と思わずニヤリと…続きを読む

同じ景色でも一人一人見える光景が違う、とはよく言いますが。 自主企画からふらりと立ち寄った一読者ですが、驚きました。 ただ雪が降る光景が、書き手によってはこうも美しくなるのだなぁ…続きを読む

短い物語の中に、懐かしさも、ほろ苦さも詰まっている、味わい深い作品です。 短編なので、長々と書くとネタバレになってしまいそうなのがもったいないです。 ラストシーンが特に印象的でし…続きを読む

主人公は隠居した占術師：ジークムント。カードを使った占いの腕前は、周囲の人々からの信頼も厚い人物です。しかも、文字通り未来を垣間見ることもできます。 ……ただし、命を削りながら、…続きを読む

主人公の少年：葵の悩みは――空を飛べないこと。 人間なら飛べないのは当たり前。ですが、葵の育ての親も、親友も、みんな空を舞う天狗なのです。 人間であるが故の、ささやかな疎外感を…続きを読む

失業した帰り道で、雷に打たれた主人公：ジュリア。不幸は重なり、死神が見えるようになってしまう。 でも、その死神：ブラックは、何やら訳ありで……。 ちょっとひねくれているジュリアと…続きを読む