奇妙な老紳士と巡る、鮮やかな小旅行

誰もが一度は耳にしたことのある「打ち出の小槌」。
昔話ではおなじみのその名を冠した町――兵庫県の「打出小槌町」。

おとぎ話のような不思議な伝説の残るその町を、奇妙な老紳士と巡る短くも鮮やかな作品です。

作品全体を通して、昔話をきいているような怪しくも不思議な雰囲気を感じます。
現実と幻想の境がぼやけるような、奇妙な感覚とでもいうのでしょうか。

一通り読み終えた後で、プロローグを再度読むと驚きました。
根底には、町の伝説が丁寧に編み込まれているのです。

さぁ、鐘の音に耳を澄ませて。
幻想に騙されず。お気をつけて、お帰りなはれ。

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