記憶の底に仕舞い込んだ悲しみ、後悔、苦悩の闇。
悲惨な過去を引き摺る少女は、流され、運ばれ、翻弄されながら、様々な人々と出会っていく。
良い出会い、悪い出会い、予期せぬ出会い、誰かの計らい……
様々な縁が織りなす布は、時に黒く、時に朱く、時に白く、時に蒼い。
その意味を理解する間もなく運命は流転し、少女は世界を巡る巨大な渦に巻き込まれていく。
少女が歩んだ肉体と精神の旅路。
それはまた、読者も共に辿る旅路。
命の限り、投げかけられる問の一つ一つに、縁があり、意味がある。
ところどころ、思わず目頭が熱くなりました。