概要
ナギはクリュスランツェの山里で、静かに山の案内人として暮らしていた。ある日、全身を外套で覆った青年・アザードが村に現れる。彼の目的は、山に棲むという伝説の龍を探すこと。アザードの顔や身体には火傷の痕があり、深い悲しみと喪失を抱えていた。
山に登る訓練を重ねたり、食事を共にしたり……友情にも似た絆を交わす内に、ナギとアザードは互いの傷を知り、少しずつ心を通わせていく。龍を追う旅は、失われた過去と向き合い、心を再生していく時間にもなって――
日常の営みや村人との交流、自然の美しさに触れながら、二人の絆はゆっくりと育まれていく――。喪失を抱えた心が、静かに癒やされる、優しく心に沁みる物語。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!風が二人を出会わせ、生まれた絆は消えない傷を癒やしていく
山の案内人として暮らしていたナギの元に、全身を外套で覆った謎の青年アザードが訪れる。
伝説の龍を探すためにやってきたアザードは、その身に大きく火傷の痕があり、悲しい過去を抱えていた。
穏やかな日常の中で心の距離を縮め、互いの過去を知った二人は、傷を癒すために龍を探すのだが──?
その身にも心にも傷を抱えるアザードが、ナギや周囲の人々との交流を通して徐々に心を溶かしていくこの物語は、丁寧な二人の関係性の積み重ねに、読んでいてじんわりと胸が温かくなります。
それだけでも充分魅力的なお話ですが、私が心惹かれたのは、物語から常に「風」を感じる所です。
冒頭、唸る風から物語が始まり、山に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ふたりの青年が出会い、共に明日へと歩きだす物語
過酷な過去を持つ謎の青年アザードの目的は、龍を探すこと。
龍が住むという山の案内人ナギと出会い、物語ははじまります。
村の暮らしや自然などの情景が丁寧に描かれています。ナギや村人達のあたたかさに触れ、アザードの心は少しずつほどけていきます。
龍を探す旅は、自分を探す旅なのかもしれません。
そして、ラストでアザードが選択したのは……。
人々の温もりに癒されたい。
ほっとする温かい物語が好き。
ワクワクと優しさの両方ある王道ファンタジーがいい。
そういうお話を求めている皆様は、是非是非お読みください。
きっと、ナギとアザードの暮らす村を訪れてみたくなりますよ。
おススメです! - ★★★ Excellent!!!温厚な山の案内人と、焼痕を抱えた旅人が紡ぐ癒やしと再生の物語
ファンタジー×ブロマンス×龍伝説――魅力が幾重にも重なった物語にすっかり夢中になり、一気に読んでしまいました。
今じっくりと2周目を噛みしめながらこのレビューを書いております。
伝説の龍の力で火傷を治すため、北の霊峰を訪れた青年アザード。全身を黒い外套で覆い、傷ついた獣のような金の瞳を持つ彼が、人懐っこい山の案内人ナギと出会う——「彼に出会うためだった」という祈りから、一気に物語へ引き込まれました。
警戒心の塊だったアザードが、ナギの何気ないお節介に少しずつ毒気を抜かれていく過程が丁寧で、何度も口にする「……変なやつ」がいつしか愛しさの表現になっていく様子に胸が熱くなります。
ナギの優…続きを読む - ★★★ Excellent!!!案内先は、やさしさと癒しに満ちた日々
物語の舞台は異世界の、雪深い山間の村。
主人公のナギは、気さくで村人からの信頼も厚い山の案内人です。
ある日、一人の男がナギに山の案内を依頼するのですが……このお客、どうにも怪しい男なのです。
夏なのに黒い外套姿で顔は見えないし。背中には剣を持ってるし……。
しかし、この謎の客:アザードは、とある事情で、この地に伝わる「願いをかなえてくれる龍」を探しておりまして――。
やさしい語り口の、読みやすい作品なので、子供から大人まで、手に取りやすいと思います。
そして、語り口もさることながら、物語そのものも、やさしさと癒しに満ちた、心が温まる作品です。
色々なものを抱えながら、傷つき、この…続きを読む - ★★★ Excellent!!!傷を癒やすほど、心がほどける。龍と歩く異世界旅
『龍の案内人と焼痕の旅人』はな、傷を抱えた旅人が“治す”ために歩き出して、その道中で少しずつ“ほどけていく”物語やねん。
案内役として寄り添うのは、龍に縁のある導き手。派手に世界をひっくり返すタイプの冒険というより、宿のぬくもりとか、人の気遣いとか、風の匂いみたいなものが積み重なって、読者の胸の奥をじんわり温めてくれるロードファンタジーやと思う。
痛みはちゃんとある。でも、その痛みを見つめる視線が優しい。
「癒やし」って、魔法みたいに一瞬で終わるもんやなくて、言葉と距離感と時間で少しずつ形になるんや――そんな感覚が、物語の空気に溶け込んでる作品やで。
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画面にトオルさんとユヅキ…続きを読む