概要
教科書の版元は光村図書さんですが、各作品のストーリーの要約も書いておりますので、違う教科書で学んだ方もぜひ覗いてください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!名作を振り返り深みにハマる良書
記憶の片隅にある、あれやこれやの名作たち。
子供の頃はその面白みや深みなんて分からなかった。
そうだとしても、「記憶にある」ことで、大人になってその深みに迫ったり、身近に感じることができるのだなと感じられる素晴らしい作品です。
教科書や義務教育は基本能力の養成というより、触れる機会や識るきっかけのために存在しているのかなと個人的に思うところもあり、そういう意味でも「昔読んだな」と振り返る対象としてこそ最大の存在意義がありそうだ、などと改めて考えさせられました。
作品の読解は鋭く洗練されており、その感想も感情豊かに表現されています。
そんな大人の姿を間近で眺めることのできる環境もまた、お子…続きを読む - ★★★ Excellent!!!子どもの頃に出会った物語を、大人の目線で読み解いていく
本作は、小学校の教科書に掲載されている物語を、大人の目線で改めて読み解いていくエッセイです。
取り上げられている物語は、『スイミー』『モチモチの木』『ごんぎつね』など……タイトルを見るだけで、記憶の引き出しから内容が蘇ってくる名作たちが揃っています。各エピソードの冒頭に綴られた要約文と、隙のない筆致でまとめられた感想文が、読み手の心を一息に「その物語と出会った小学生の頃」まで連れていってくれます。
あの頃、私はそれらの物語をきちんと理解できてただろうかと自問したとき、おそらくできていなかったのだろうな、と思いました。それぞれのストーリーラインは記憶に残っていても、柔らかでありながら研ぎ澄ま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私たちのこころに佇む数多の「クラムボン」。
教科書とは世の中を教えるものである。
小学生のものならなおのことだろう。
だが、国語の教科書に載る数多の文学作品には、正解がない。なにを学び、なにを知るのか。授業という場を経ても、それは個々人の解釈に任される。
そしていつしか、それらのなにかが、人生のなにごとかの琴線に触れることも、あるのかもしれない。
文学という曖昧なもの。
何もかも自分が咀嚼しないと身に入らないもの。
わたしは、このエッセイで改めて「自分は国語の教科書、ひいてはそれ以降触れた数多の文学作品からなにを教わったのだろう」と考え込みました。
それにも明確な答えは出ない。
まさに「クラムボン」のよう。
だけどそれらは、確実…続きを読む - ★★★ Excellent!!!こういう読者に、私もなりたい。
本作はタイトル通り、国語の教科書でおなじみの名作の感想集です。
タイトルの懐かしさにひかれて、読み始めた本作。
作者様の深い感想に、共感したり、新たな気づきを得たり……素敵な時間を過ごせました。
なにより、作者様の物語に向ける目線が優しくて、とても素敵だなぁ、と思いました。
物語を書いたり、絵を描いたり、創作には人柄が出るとは聞きますが。
その作品の鑑賞のしかた――もとい「その作品から何かを受け取る力」といいましょうか――にも、人柄がでるのかもしれない。
本作を読んでそんなことを考えました。
素敵な作品を書くことも素晴らしいですが、この作者様のような素敵な読者にもなりたいな、なん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたの胸の中で、学び舎の記憶とともに呼び覚まされる感想文
小学校のときは音読の宿題があり、母に読み聞かせてはコメントを書いてもらっていました。その音読があったからこそ記憶に残っている物語、悲しい気持ちでいっぱいになって泣かされた物語。六年間のうちに出会ったたくさんの物語は、未だに覚えています。
本作はそんな子どもの音読がきっかけで、小学校の教科書に載る作品を読み直したお母さんによる感想文です。
ピックアップされた名作十作品の要約と、大人になったからこそ分かる見方・感じ方。読者も改めて読み直したくなる感想文なので、子どものころは嫌々読んでいた方も面白さに気づけるかもしれません。
お子さんがいる方は、教科書を借りて熟読したくなってしまうかも? - ★★★ Excellent!!!教科書で読んだ作品の数々。それを大人として読んだ素敵な感想文です
小学生のころ、ふいっと読み捨てた(すみません、それは私です)
国語の教科書にあった物語。
大人になって読めば、また違った感想を覚えるかもしれません。
この作品は、そんな懐かしい物語を、まさに大人目線で書かれています。
懐かしい物語の数々は、たとえば、「スイミー」とか「スーホの白い馬」とか、「ごんぎつね」とか……。
作者さまは、物語の影に隠れた、小学生の頃にはわからなかった不条理や
大人だからこそわかる優しさを、そのなかに発見していきます。
これはまさに大人の『読書感想文』。さくさくと読みやすく、とても面白いですから、どうぞお読みください。