丹寧

圧倒的な孤独のなかで育った主人公ディルが、大切にしてくれる仲間との出会いを経て、少しずつ癒されていく過程が描かれています。 個性的な面々がそれぞれにディルを助け、見守りますが、それ…続きを読む

海辺を散歩する少年の、ある体験談。 ある女性に会った彼の心にさざ波が立ち、その後本当に嵐がやってきます。 不思議な女性は人だったのか、そうでなかったのか、どこへ行ったのか。 日常の…続きを読む

Web小説の世界では希少となった（かもしれない）、転生や転移なしの王道ファンタジーです。 妹を取り戻したい主人公セスをはじめ、魅力的なヒロインのアルテーシア、引率の先生役のデューク…続きを読む

「一の章」と「全の章」が交差し合う構成は、他の方も書かれている通りです。 ネタバレ防止でやんわりした書き方になってしまいますが、後半で謎が明かされるのを見るうち、ここで描かれている…続きを読む

主人公アルの素朴な一人称で進むお話です。 序盤は、何気ない語りの端々からアルの過ごしてきた孤独な環境が浮き彫りにされ、切なさにキリキリします。 しかし、孤独な境遇でも歪むことのなか…続きを読む

巻き込まれ体質という言葉がぴったりの主人公甲斐君と、いろいろと尖った折賀、その妹の美弥がメインの現代ファンタジー。 メインの三人はもちろん、甲斐を取り巻く人物は個性の大盤振る舞いで…続きを読む

『知恵の泉』の守り手となった双子の兄弟が、それぞれに試練を迎えます。 洋、中の要素が共存しつつも、混乱なくまとめ上げられた世界観が印象的です。 言語学、地理学、考古学などの分野をリ…続きを読む

異世界転生物が苦手な方でも、こちらの作品ならスムーズに入り込めるのではないでしょうか。 主人公補正や原因不明のモテはなく、ヒロインのサラの不思議なルーツをたどる物語です。 ダークな…続きを読む

自分や他人のなかの女性性や男性性に抵抗感を持ち、中性的な存在に惹かれる語り手・日芽子。 彼女は、女性であることを拒否した男装の麗人・月彦と恋に落ちます。 互いを完璧に補完しあう唯一…続きを読む

タグにある通り、雅やかで幻想的な世界を舞台に大人の恋愛が綴られています。
静かな風景の中で、由景と琴姫の心に訪れる変化とドラマをぜひお楽しみいただきたいです。

母からの言葉が植えた劣等感を解消しきれない凪を、宮原君が変えていく過程が爽やかでいいです。 少年少女にとって家族の言葉は重いかもしれませんが、世界はその外にも広がっていると気づいた…続きを読む

どんな町にもあって、たくさんの人が訪れる場所が、二人だけの特別な場所になる小さな物語です。 本好きな方なら、一度はこんな出会いに憧れたことがあるのではないでしょうか。 ある場所です…続きを読む

短編ながら、密度の濃い展開で二重、三重に（いい意味で）騙されてしまいました。 作者様こだわりの花言葉も、ストーリーと深く関わっています。 登場人物それぞれの心のなかを覗くたび、新た…続きを読む

まず、丁寧な情景描写で、寒さの厳しい、けれど美しい雪景色の風景の中に連れていかれる落ち着いた文章が印象的です。 冒頭部から鮮やかに、主人公の観ている光景が立ち上がります。 自然の…続きを読む

主人公・伊織が祖母の死から間もなくして出会った、櫛の付喪神が伊織に新たな光景を見せてくれます。 祖母の死で別れの意味を悟った伊織が、付喪神との奇妙なつながりを大切にしようとする姿勢…続きを読む

前作で出会った仲間たちがパワーアップして再会を遂げたり、年月が経って情勢が変わっていたり、ロマンス要素が加わったり、新たな楽しみの詰まった作品です。 ひきつづき歴史の勉強に役立てさ…続きを読む

落ち着いた文章が描き出す世界観は陰がありながらも、登場人物たちの様子が鮮やかに浮かんできます。 主人公の篝は、容姿端麗な中性的な青年ながら、性格は尖っていて存在感ばっちりです。 重…続きを読む

じっくり丁寧に書かれたことが伝わる文章の中に、和の風情と登場人物たちの個性が詰まっています。 食事や会話など、何気ない場面の中にも、作りこまれた世界観が醸し出す雰囲気を楽しみつつ、…続きを読む

お伽噺のようであり、歴史小説のようでもあるお話を彩る情景描写や比喩表現に、筆者の確かな知識が溢れています。 本作の舞台はイタリアですが、ヨーロッパの他の国を舞台とした筆者の他作品と…続きを読む

まつろわぬ民が大和という国に組み込まれていく中で、こんな人物が存在し、葛藤したかもしれない、と思わせるリアリティあるストーリーです。 何となく勇猛な部族というイメージしかなかった隼…続きを読む

読み始めてすぐに、一文一文が研ぎ澄まされ、凝縮されたものであることに気づいた方は多いと思います。 奇をてらった表現や、珍しい語彙を連ねるのではなく、伝えたいことに沿って丁寧に削り出…続きを読む

映画『西部戦線異状なし』を思い浮かべながら読んでいたのですが、実際に筆者も同作の原作小説と、シュテファン・ツヴァイクへのオマージュを出発点として書かれたとのことです。 ヨーロッパが…続きを読む

作者さまが他作で扱われている白百合の病について、新たな角度から切り取った作品ですが、本作から読み始めても違和感なく入ることができました。 美しくも悲劇的な雰囲気は、タイトルにも掲げ…続きを読む

読みやすい文体ながら、淡々とした筆致は落ち着いていて、無理なく作品世界に引き込まれました。 主人公のひたむきさや設定も手伝って、ハードボイルドな空気がだれずに続き、安定感があります…続きを読む

まず特筆すべきは主人公とヒロインの甘酸っぱいけど大人な関係性です。 硬派な大人のラブストーリー的な要素をジェイクが牽引する一方、ユーリの初々しさが類稀なる破壊力を持っています。 ワ…続きを読む

体を捨てる時、人間の心に何が起こるのか。 一貫したテーマに沿って、洗練された文章が深い問いを浮き彫りにします。 それでいて主人公の心情は精緻かつみずみずしく描写されており、読み手を…続きを読む

カクヨムでは非常に希少な、ラテンアメリカを舞台とした話で、しかも主人公たちは物騒な街を懸命に生き抜く女性たち。 それだけでも大人な香りを感じますが、珍しい設定というだけでなく、知的…続きを読む

ジャンルはホラーとなっているものの、他の方も書かれているようにミステリーのような趣があります。 すっと頭の中に入ってくる文章、毎回コンパクトにまとまった章立てのおかげで、さくさく読…続きを読む

冒険、魔法、吸血鬼、とファンタジー好きに響く要素を具えているだけでなく、主人公たちの人物描写も楽しく、続きが読みたくなる作品です。 主人公のファルトゥナは、語弊を恐れずに言えば意地…続きを読む

他の方も書いていらっしゃる通り、作者の職業知識を活かした特徴ある「メンテナンス紀行」のお話です。 読みやすい文章と穏やかな筆致で、いつも気づいたら異世界に連れて行ってもらえてます。…続きを読む

登場人物（もとい登場神）の数が多く、エピソードの数も膨大なギリシャ神話。 神々の名前や、有名なエピソードを断片的に知っていても、体系的・網羅的に全体を俯瞰できる方は少ないのではない…続きを読む

世界観やキャラクターの作り込みが精緻で重厚。 ストーリーの構築への並々ならぬ情熱が窺えます。 一方で文体は冷静で、かつ読みやすく、どちらも読者をお話に引き込むエネルギーがあると感じ…続きを読む

頭脳明晰・冷静沈着な主人公の思考回路をプレゼンするのに最適な、シリアスでハードボイルドな筆致の作品です。 事実が淡々と語られるなかで、ますます謎の不可思議さに惹きつけられます。 主…続きを読む

オリエントの世界を下地にしたと言う世界観は緻密かつエキゾチックで、（もちろん良い意味で）無駄のない文章も相まってストーリーに深く引きこまれます。 たくさんの登場人物が出てきますが、…続きを読む

武士の世って女性登場人物が活躍できなさそう、という食わず嫌いを繰り返していましたが、女性たちが足軽としてバリバリ活動していて驚きました。 大河ドラマでは描かれない角度、視点から新し…続きを読む

主人公の葛藤が切実に伝わってくる描写でした。
続編も予定されているとのことで、楽しみにお待ちしております。

双子さん同士および対神様、のみならず神様同士の丁々発止のやり取りから目が離せません。 童顔あるあるや神様の茶目っ気の絶妙さに時折度肝を抜かれます。 神様界にもいろいろあるようですが…続きを読む

水を守るために星を落とす、という不思議なあらすじ。 水、星、山、森といった、見慣れていながらも神秘的な要素が巧みに描写されています。 太古の奥深い自然に分け入る物語、この先どう展開…続きを読む

主人公の情動にリアリティがあり、日本のどこかにこんな人がいそうと思わせます。
この先の成長が楽しみです。

他の方も書かれていますが、貂蝉はあくまで脇役の一人として取り上げられてきた人物だと思います。 読み始めてからずっと、彼女の視点から切り取るとこんな物語になるんだな、という新鮮な読後…続きを読む

鷹匠に関する考証の緻密さ、深さにまずは圧倒されます。 格好良くて絵になるビジュアルしか知らなかった鷹匠が、こんな奥深い世界を生きているんだ、という驚きがあります。 狩りの世界におけ…続きを読む

興味あるジャンルだったこともあり一気に読みました。
神秘的な世界観が素敵。