鷹匠に関する考証の緻密さ、深さにまずは圧倒されます。格好良くて絵になるビジュアルしか知らなかった鷹匠が、こんな奥深い世界を生きているんだ、という驚きがあります。狩りの世界における命のやりとりや引き継ぎといった生命観も、静かながら力強い文章が迫力ある描写をしていると感じました。タイトルにもある、天空の覇者と言う言葉がしっくりきます。読んでいる内に大空の空気を感じられることうけあいですが、ぜひ時間を取ってゆっくり読むことをおすすめします。現在、作者さま改稿中とのことですので、楽しみに続きを待ちたいと思います。
鷹匠の少女のお話、ではあるのですがそれ以前の問題として、物語を形づくる文章の美しさに圧倒されます。静かな、降り積もる雪の落ちる音すらも聞こえるような森を思わせる描写の数々。「雪のにおい」をはっきりと思い出せる人ならば、読んで損はないでしょう。気持ちのいい文章でした。続きに期待しています。
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