概要
泉は何故涸れたのか? 涸れた泉の精霊と彼を取り巻く強者たちの物語
五行のルールに支配される精霊界。火・水・木・金・土の五属性には、それぞれ理王と呼ばれる精霊王が君臨し、精霊たちは五人の理王の統治の下、厳格かつ安定的に保たれている。
その精霊界の片隅で小さな泉が涸れ始めた。泉の精霊は存在意義を失い、ルールに基づき消滅するはずだった。しかし、泉が完全に涸れる寸前、水精の管理者である水理王によって最後の一滴を掬われ、その消滅を免れる。
行き場を失くした泉の精に、理王は自らの住む王館で下働きの仕事と『雫』の名を与えた。それから十年、雫は水理王の下で忙しくも平和な日々を過ごしている。
そんなある日、理王の不在の中、掃除に勤しんでいた雫は何者に襲撃される。それを聞いた理王は雫に新たな仕事を与え、理術を学ぶよう命じるのだが……。
雫は何故、襲われたのか
その精霊界の片隅で小さな泉が涸れ始めた。泉の精霊は存在意義を失い、ルールに基づき消滅するはずだった。しかし、泉が完全に涸れる寸前、水精の管理者である水理王によって最後の一滴を掬われ、その消滅を免れる。
行き場を失くした泉の精に、理王は自らの住む王館で下働きの仕事と『雫』の名を与えた。それから十年、雫は水理王の下で忙しくも平和な日々を過ごしている。
そんなある日、理王の不在の中、掃除に勤しんでいた雫は何者に襲撃される。それを聞いた理王は雫に新たな仕事を与え、理術を学ぶよう命じるのだが……。
雫は何故、襲われたのか
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!神話を彷彿とさせる叙事詩が紡がれていく、珠玉のハイファンタジー
中国で生まれた五行思想を基に作られた、一風変わったハイファンタジーです。水、火、土、は洋風のファンタジーでは一般的ですが、そこに木、金が加わります。例えば自然界において、地面を割って植物が根を張るため、木>土というような関係性です。
登場人物はすべて、五行の属性の精霊。綿密に練られた世界観の中で彼らの営みが生き生きと描かれています。単なるファンタジーではなく、「神話」と言ってもいいくらい。
そして多くの神話がそうであるように、権謀がめぐらされ、ときにスキャンダラス、ときに残酷。それは人間社会でも同様ですが、人間とはまったく異なるルールの中で生きる精霊たちが紡ぐ物語は、世に出回る多くのハイ…続きを読む