骨太な文章が紡ぐ古代の手触り

まつろわぬ民が大和という国に組み込まれていく中で、こんな人物が存在し、葛藤したかもしれない、と思わせるリアリティあるストーリーです。
何となく勇猛な部族というイメージしかなかった隼人について、本作の「拳で語り合う」描写を読んで具体的な輪郭を得られたように感じました。
終盤に高まる恋心の描写も、緊張感に満ち溢れていてとても惹きつけられました。
文章も展開も一貫した安定感があります。

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