確かな知識が描き出す精緻な世界観

お伽噺のようであり、歴史小説のようでもあるお話を彩る情景描写や比喩表現に、筆者の確かな知識が溢れています。
本作の舞台はイタリアですが、ヨーロッパの他の国を舞台とした筆者の他作品と同様、具体的に浮かぶ物語の光景が読者を引き込んでくれます。
一話完結の短編の中でも、伏線を張り、回収している丁寧さも作品への愛を感じました。

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