流行りの異世界転移もいいけれど、壮大な世界を舞台にした本格ファンタジーを読みたい方、
ぜひ『竜世界クロニクル』を開いてみてください!
血のつながらない妹を取り戻そうと旅する見習い騎士セスの冒険を描く本作、
少しずつ仲間が増えていき、世界の謎が解けてゆく、
主人公セスの中に封じられた大いなる力とは何なのか? など、心躍る要素がてんこ盛りです。
個性豊かな仲間たちと共に、セスは妹を、そして世界を救えるのか?
興味深いのは、単純な善悪の構造ではないこと。
果たして敵側は悪なのか、人間はつねに正しいと言えるのか?
そもそもセスたちは何と対峙しているのか?
吟遊詩人が伝えるレジェンド・サーガと共に、少しずつ紐解かれる世界。
隠された真実にドキドキしつつ、セスたちの冒険を一緒に楽しみましょう!
竜とその眷属である六神によって創られた世界。人々はその世界で竜や神の加護を受けながら生活していたが、数百年前のある事件をきっかけに人と竜は相対する存在となった。世界の趨勢を憂えた竜は、自らの力によって星を終焉に向かわせようとしたが、ある神の策略によって星は滅亡を免れた。以来、人々は平穏な生活を送っていたが、数百年の時を経て運命が動き出し、星は再び破滅への道を辿ろうとしていた。破滅に向かう中で交錯する人々の願い、そして世界を見守る竜と神は何を思うのか。
上記のとおり、神話と伝承をモチーフにした壮大な世界観から成る王道ファンタジーです。歴史や地理に至るまで精緻に創り込まれた様は圧巻の一言。作中には森、砂漠、海など様々なフィールドが登場しますが、どのフィールドも叙情豊かに描かれているので自然と情景が浮かび、自分が異国の地を旅しているような気分を味わわせてくれます。
また、人間ドラマとしても非常に興味深い。敵対していた相手にも実はそれぞれの事情があり、実情を知ってしまえば一概に悪として切り捨てることはできません。物語が進む中で、主人公セス達は戦いではなく共生の道を辿ろうとしますが、それを許さない過酷な試練がいくつも彼らを待ち受けています。
破壊ではなく再生を、滅びではなく救いを、交錯する彼らの願いは果たして聞き届けられるのでしょうか。
さらに特筆すべきは登場する魔獣の多さ。敵対する魔獣は強く格好よく、味方サイドの魔獣は小さく愛らしい。特に仲間の1人ディークが連れている白い毛玉フィーサスの可愛さは病みつきになります。
王道ファンタジー好き、人間ドラマ好き、そしてモフモフ好きな方全てに自信を持ってお勧めできる秀作です。
本当に壮大な、歴史をめぐる物語です。
他の方々も書かれていますが、王道ファンタジーRPGのようなキャラクター設定と世界観。一つ一つ謎を紐解くような、ストーリー重視のRPG好きには特にお勧めです!
とても沢山のキャラクターが登場するのですが、主人公だけでなく、それぞれのキャラクターに魅力的な味があります。
立場が違えば当然、願いも価値観も異なりますが、彼らが衝突を通じて理解し合い、やがて1つの大きな歴史を作り上げて行く過程は、とても胸が熱くなります。
笑いあり涙ありの展開で、気づけばそれぞれの人物に感情移入しているはずです。
また、土地によって名物料理があったり、様々な種族間の交流が繰り広げられたりと、作り込まれた世界観にも引き込まれるでしょう。
エピローグでは、一つの大きな歴史を見届けた感動に浸れること間違いなし!
ぜひ、多くの方々にじっくりと読み進めていただきたい作品です。
この物語には主人公が大勢います。
もちろん「主人公」として位置付けられているのは、見習い騎士の少年、セステュ・クリスタル。彼が血のつながらない妹を、魔王軍にさらわれてしまうことから物話は始まります。
しかし登場人物たちが増え、彼らの人生や想いに触れる度、この物語はセステュと言う「主人公」だけではなく、この世界に生きるキャラクター全てを語る「物語」として広がっていくように感じました。
エピローグのタイトル通り、正に「それぞれの物語」です。
登場人物たち全てに命を吹き込んだ物語、だからこその結末、そして読了感。
絶対にお気に入りのキャラクターが見つかります。(一人だけとは限らないかも)
そして彼らと共に、是非この世界を冒険してみて下さい!
ある日、妹の頼みで故郷を目指し、深い森に入った兄妹。そこで狼の群れに出会ってしまった二人ははぐれ、その別れが二人に課せられた大きな運命の始まりとなります。
騎士見習いのセス、攫われてしまった妹リュナ、彼女を助けてくれた不死の剣士デュークに、森に馴染んだ少年シャル。翼持つ少女に、多くの謎を抱えた竜、そして魔王。読み進むにつれて、圧倒的な王道ファンタジーの世界が広がります。
けれど、この物語に登場する魔王は、他の物語の魔王とは少し様子が異なります。なぜ彼が魔王と呼ばれるようになったのか。かつて魔王と共に戦った英雄の盟友ウィルダウと、セスにまつわる秘密とは。
歴史物語であり、群像劇でもあり、けれど、最後まで読み終えたときに感じたのは、とてもシンプルな「誰かを大切に想い、救いたい」という愛の物語でもあったのかな、と感じました。
愛と一口にいっても男女のそれもあれば家族愛、友愛など、その形はさまざまなのですが……。
そうして緻密に作り込まれた世界観は、ともすれば硬くなりがちですが、若者たちの甘酸っぱい恋の様子や、ちょっと大人の恋愛模様もあり、ハイ・ファンタジーだけでなく、笑って泣ける、物語が好きな方すべてにおすすめの一作です。
壮大な世界観と、時空を超えた素晴らしいファンタジー!
まずはこの一言に尽きる。
主人公のセスは由緒正しきクリスタル家出身の見習い騎士。『妖魔の森』で血の繋がらない妹リュナを攫われてしまい——。
冒頭からワクワクする王道ファンタジーの展開と思いきや、もっと緻密に練られた設定と展開にアナタも度肝を抜くはず。攫われたヒロインを助けに向かうのか……と思いきや、どうやら妹は魔王軍にとっての秘宝とやらで??
どこまでも善人で純粋な主人公セス、彼と旅の中で出逢う不死者の青年デューク、デュークのそばでふよふよ漂っている謎のフワモコ・フィーサス、猟師の少年シャル、そして吟遊詩人のアルテーシア。
まだまだ魅力的な登場人物が沢山出てきますが、要所要所に解説も挟んであって読み進めている部分までを整理しやすい。
一章読むごとに、分厚いハードカバーの壮大な物語を開いてしまったような満足感が味わえます。
クロニクルというタイトルから想像できるように、その物語は世界の創世から混乱、現代、その真実から未来へと——。
主人公のセスや皆の生い立ちや境遇もそれぞれ複雑で、一人では抱えきれないような運命の中をしっかり手を取り進んでいく姿には勇気をもらえ、読みながら応援し共に歩いて行きたくなるほど。
悪が悪たる所以や、種族や国の諍いもどれも納得がいくほどに背景が練りこまれていて面白い。きっとアナタもお気に入りの一人(一匹?)が見つかるはず。
竜の翼で空を舞い、人の足でしっかりと地上を踏んでゆく。
何一つ、どの一文字すら無駄のない、それぞれが世界を構築する存在。
果たしてセスは妹を取り戻せるのか?
そして世界の危機はどうなってしまうのか。
読み終わる頃には、アナタもこの物語がすごく大切な一つの世界として心に残っているはずです。さぁ、彼らと共に旅に出てみませんか??
拝読して一番に思ったのは作者様はファンタジーを書くということに置いてずば抜けたセンスがあるということです。
ファンタジー世界を構築する美しいネーミング、目裏に浮かぶ美しい自然の光景や町の描写、そして読み終えた物語が静かに手元から羽ばたいていく余韻。特にラストの一文にまでこめられた物語世界を人々の心に伝承させていくという思いを感じ、書き手とは本来そうあるべきかなと感銘しています。
ひと月と少し、肩までどっぷりとファンタジーに浸かりこみ、作品世界を満喫させて頂きました。
歴史も内容も実に緻密で細かく施されています。細かなディティールでその深い世界を作りあげることに成功しているのですね。そのように説得力のあるストーリーも素晴らしいのですが、わたしが一番共感を覚えたのは物語の着地点です。
神と竜と人と魔の共存がテーマの本作品は勧善懲悪もののストーリーとは一味違う読後の満足感を提供してくれます。
それぞれの種族がこの世界に意思と使命を持って存在し、そのバランス関係で成り立っているのですね。その多様性を持った美しき世界を存続させていくのだという作者さまの願いを感じています。だから我々も自らと違う者を認められる優しき人でありたいなと思いながら。
壮大な大地に生けるものたちが織りなす王道ファンタジーです。
とても読み応えがある作品です、おすすめいたします!
クロニクルと名付けられるも、その言葉が実行されたと感じられる物語って実は多くないと思います。それを成すには主人公の周りのことだけでなく世界全体、さらには歴史を扱わなければならないからです。それらを破綻させることなく、そして広げた風呂敷をきちんと畳める構成力と文章力――それがこの『竜クロ』にはきちんと備わっています。畳むどころか、「そんな畳み方するの!?」と物語の新たな形を見せつけてくれたりもする、そんなサプライズが待っているのですから、これは読まない手はありません。
良家の生まれである少年が、突然連れ去られてしまった妹を追う――という、まさに王道な幕開け。その後は個性豊かな仲間たちと出会って絆を結び、気になる女の子とちょっとずつ距離を詰めては転び(笑)、自分の未来について考え、そして最後は自分たちが生きる世界についての真実を知ることになる……これだけで王道好きなみなさんはワクワクしてくるものと思います。ですが数多の物語を読んできた方ならこうも思うでしょう――「悪者をやっつけるだけの話なんて飽きた」と。
大丈夫です。何が大丈夫なのかはここでは語りませんが、この物語は王道でありながらもそのわがままな願望を叶えてくれます。悪者に一泡吹かせるだけの単純な快感よりも深い、優しくてもっと難しい愛にあふれたお話だと感じました。
ここまでを読むと、王道すぎて堅苦しいお話なのでは?と尻込みしてしまうかもしれません。けれどその点も大丈夫。明るい思考のキャラクターが多いので慎重な主人公をグイグイと押してくれ、さらには目まぐるしい事件の連続で退屈している暇もありません。国やキャラクター情報のまとめや補足も多く、難しいオリジナル用語に苦しむことがないのも嬉しいところ。何よりがんばっている少年少女たちがとても愛らしく、応援したくなっちゃうので読みだすと止まらなくなります!笑
飛竜や騎士といったかっこよさに、剣と魔法のわくわく――そして畏敬に満ちた神との邂逅。都市に森に砂漠にと次々に舞台を変えながら、どこか懐かしいファンタジーが力強く進行していくのは必見です。今さら王道なんて、とどこか人生に拗ねちゃってるひと(笑)にもぜひ読んで欲しい、爽快な冒険劇です。
数あるレビューの絶賛に違わず、私も全力でおすすめしたい物語。どうか時間をしっかりと確保して、胸躍る冒険を思い切り楽しんできてください!
長き連載が終わり、エピローグまで読み終えました。
竜世界クロニクル、通称『竜クロ』。
一人の見習い騎士セスが攫われてしまった妹リュナを取り戻す為旅に出る。そしてそこからセスが出会い巻き込まれ立ち向かう世界の真実。
ある一つの危機からやがて世界の命運をかけた戦いに遭遇する王道のファンタジー。竜に神に魔王、読者の心を躍らせる設定が幾つも組み込まれ、その一つ一つが細かく深く設定されています、これは作者『はとしろ』さんの手腕だから出来ることです。
とにかく世界観の完成度が凄いのです! 有名なRPGを最初から最後までやりきった感動が読了後に味わえ感動しました。
立ち寄った街でヒロインや仲間と出会い絆を深める過程が手堅くじっくり書かれているのも素晴らしい、終盤まで読むと味方にも敵にも感情移入して応援していました。
レベルの高いファンタジーを読みたいと思う方は是非ともこちらの作品をお勧めします。
ハイファンタジーの傑作!! 異世界とはまさにこれだ! と、断言できる最高の一作です。
世界の創世から現在までの時を巡る壮大な物語です。神々(竜たち)と人々の思惑が交差し織りあげられる歴史の中で、主人公たちは新たな時代の冒険譚を綴ります。
まだ見習いの騎士でしかない主人公セス。血はつながらなくとも大切な妹リュナが攫われてしまい、彼女を取り戻すための冒険から物語は幕を開けます。
その過程でたくさんの人物と出会い、交流し、セス自身に宿る秘密も明らかに。何者かの思惑に翻弄されながら国々は、人々は。更に登場人物の心や恋が彩り豊かに描かれ、濃厚。
彼らと共に世界を冒険しながら、次々と謎を解き明かす物語は、まさに求められている王道ファンタジー。
もふもふ系マスコットキャラが多数登場しますが、モフモフの正体に驚いたり、癒されたりも。
過去が絡む複雑な構造の物語ではありますが、人物紹介や用語解説で丁寧にまとめられ、幕間に息抜きかつヒントになるエピソードが入って来る構成になっており、本格的なオリジナル設定のファンタジーは難しく感じるという方もとっつきやすいです。
この世界の新たな歴史の目撃者になりましょう!
作者さんによる美麗イラストも多数あり、イメージもばっちりです。
設定の緻密さ、キャラクターバランス、ストーリーの起伏、そして複雑な人物相関。どれをとっても丁寧に作り込まれており、世界と登場人物、動物達全てに、命の息吹を感じます。
また、明確な善悪が存在せず、登場するキャラクターそれぞれがみな、背負った業と信念を持って世界と向き合います。
主人公達は互いに互いを思いながら助け合い、敵対陣営は各々の思惑を抱きつつも、どこか人間臭い理由で互いに関係を築いていたりと、いずれの陣営も憎めないキャラクターばかりです。
また、歴史と主人公達の過去が絡み合う事で、物語の構造をより複雑で奥行きのある物にしており、読み応えがあり、考察も楽しめます。
ファンタジーとしての完成度が非常に高く、一見ガチガチの硬派にも思えますが、先述の通りキャラクターバランスがしっかりしているので、明るくお茶目な展開も用意されており、重苦しさは全く感じられません。
王道でありつつも、その括りの中で全てに最大限のこだわりを発揮した作品てす。
完結後にレビューをと思っておりましたが、一旦このタイミングで全力推しさせて頂きます!
最高にオススメの一作!!是非本日、お読み下さい!
ファンタジーとはこういう世界観だよなぁ……と思い出させてくれる作品です
攫われた妹を取り戻すべく、後を追う主人公セス。道中様々な種族の仲間に出会い、それぞれの過去や素性を知りながら絆を深めていく。まるで仲間を集めて世界を救うべく旅をする、昔ながらのRPGを彷彿とさせる世界観。個人的には大好きな世界観です!
キャラひとりひとりの秘めた力はそれなりに強いものがありますが、それは決して万能ではないし諸刃の剣的な部分もある。弱い部分も惨めな部分も曝け出していて、非常に人間味溢れる登場人物たちです。
悩んで泣いて苦しんで、それでも仲間に支えられながら立ち上がる。主人公だけではなく、彼を取り巻く他のキャラも同様に描かれているので、物語全体がとても生き生きとしています。
ストーリーはとても壮大。
完結したときには3部作くらいの長編映画を見終わったような感覚に陥りそうです。楽しみ。
とても丁寧でしっかりとした世界観で描かれる物語ですが、登場人物が生き生きとしているので、地の文多めでも読みにくいとは感じませんでした。
重厚で、でも優しく読みやすい王道のファンタジー。
彼らの仲間の一員となった気分で、一緒に旅を追いかけましょう!
(私は既にお気に入りのキャラに意識を乗せて楽しんでます♡)
血の繋がりのない妹・リュナを魔王軍に攫われてしまった、見習い騎士のセス。
彼はたった一人の妹を取り返そうと、偶然、森で出会った『不死者』デュークと漁師のシャルと共に旅をすることになる。
旅の先々で仲間を増やしていくセスだが、妹の行方を探すうちに、魔王軍の真相と、彼に隠された秘密が明かされていく。
涙あり笑いあり恋あり感動ありの王道ファンタジーです。
メインカップルのセスとルシアがマジで尊いです。マジで!尊いです!!!!
この作品の良いところは上記以外にもめちゃくちゃあるんですが、個人的に超良いと思うのはテンポの早さですね。
無駄な話が一切無く、所々に撒かれた伏線がタイミング良く回収されているので、激アツな箇所の多いこと多いこと……。
それに伏線からある程度ストーリーの展開が予想出来るところも楽しめるポイントだと思います。
長文になりましたが、それくらい面白い作品です!
ぜひご一読を!!!
森で妹を攫われた主人公セスは運命的な出会いを果たした不死者の青年、漁師の少年、兄を探す少女とともに妹を探す旅に出る。
こう書いてしまうとヒロイックな攫われたお姫様を救いに旅立つ勇者のお話といった風に見えますがちょっと違います。
セスには自分の中に自分ではない何かがいるのを感じているという秘密があり、攫われた妹リュナにも秘密があるのです。
散りばめられた謎と秘密が結びついた時、明らかになっていく真実。
ファンタジーでありながら、ミステリーの要素も兼ね備えたこの作品、単なる人と魔王の戦いではない裏がある世界の謎をあなたも覗いてみませんか?
一人の少年セスの妹、リュナが魔王軍に連れ去られる場面から始まります。
道中で出会うヒロインのアルテーシアも、双子の兄を連れ去られていることを彼は知ることに。
セスは妹を、ルシアは兄を取り戻すために。
出会った仲間達と行動を共にしていくうちに、物語は予想外の展開になっていきます。
歴史の紐を解いていくうちに、だんだんと見えてくる意外な真実に胸がわくわくする作品です。
恋あり冒険あり、そして作品中で描かれるバトルも迫力満点でとてもカッコいいです。
世界観もしっかり作られており、読みながら竜クロの世界に浸ることができます。
なによりお食事シーンがとっても魅力的に描かれており、とってもおすすめです。
セスは妹を、そして滅びに向かっている世界を救うことができるのか!?
今後の展開をとても楽しみにしています。
王道ファンタジーが好きな方、動物や幻想的な生き物が好きな方にはぜひ読んで欲しい作品です。