三国時代に刺客として活躍する女性を描いた物語です。
三国志というのは、かつて歴史の授業で嫌というほど詰めこまれたせいか、あまり小説では触れてきませんでした。
むしろ個人的なトラウマもあって避けてきたジャンルでした。
しかし本作には、なぜか本気で惹かれます。
主人公である貂蝉のどんな逆境にあっても、苦しい目にあっても奮闘し続ける、その強かさに惹かれるのです。
三国志においても主人公の貂蝉はあまり目立つ人物ではありません。
私も古代中国四大美女のひとりであることと、呂布の夫であることしか知りませんでした。
しかし本作はそれでも十分に楽しめる要素がふんだんに散りばめられてあります。
「明かりでは火鉢の火となり、暗がりでは一振りの剣となる」※ひとこと紹介文の和訳です。
表向きは忠実だけれども、裏では悪意を抱いている人を中国ではそう言います。
貂蝉だけでなく、他の武将たちの関係にも注目していきたい作品ですね。
貂蝉が主人公で、とても格好良いです。
私は、ゲーム等を嗜む程度のライトな三国志好きで、貂蝉というと「呂布の傍にいる可愛い娘」という印象しかありませんでした。
けれど、本作では戦って、強くて、美しくて…でも、それだけじゃない魅力がたくさん詰まっています。
シリアスとコミカルが絶妙なバランスで物語は進みます。
三国志が好きな方なら、馴染みのメンバーの魅力を再発見できるでしょうし、あまり詳しくない方でも、ストーリーと、キャラの立った登場人物たちの世界に引き込まれるのではないでしょうか。
実は、私もまだ前半を読み進め中ですが、この程完結されたというので、堪らずレビューをしてしまいました。
残りの話数もゆっくり味わいながら、愉しんで読み進めたいと思います。
皆様も、是非読んでみてください。