明是一盆火,暗是一把刀

三国時代に刺客として活躍する女性を描いた物語です。
三国志というのは、かつて歴史の授業で嫌というほど詰めこまれたせいか、あまり小説では触れてきませんでした。
むしろ個人的なトラウマもあって避けてきたジャンルでした。

しかし本作には、なぜか本気で惹かれます。
主人公である貂蝉のどんな逆境にあっても、苦しい目にあっても奮闘し続ける、その強かさに惹かれるのです。

三国志においても主人公の貂蝉はあまり目立つ人物ではありません。
私も古代中国四大美女のひとりであることと、呂布の夫であることしか知りませんでした。
しかし本作はそれでも十分に楽しめる要素がふんだんに散りばめられてあります。

「明かりでは火鉢の火となり、暗がりでは一振りの剣となる」※ひとこと紹介文の和訳です。
表向きは忠実だけれども、裏では悪意を抱いている人を中国ではそう言います。
貂蝉だけでなく、他の武将たちの関係にも注目していきたい作品ですね。

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