概要
護法の柱として契約によって縛られた羅刹鬼・可畏(かい)は、不知火を護る代わりに贄を要した。
邪気を貯めに貯めた女を贄として捧げる事で、不知火は安寧を手に入れてきた。
そんな、鬼ーー羅刹鬼・可畏は贄を喰らった直後に、次の贄として生きる牡丹に出会う。
二人は鬼と贄という関係ながらも、可畏は牡丹を贄としながらも愛しむ。
「美味そうだ」「食べても良いのよ」
互いに口にするのは、果たして本音かどうか。
これは、鬼と贄の奇妙な関係を綴ったお話。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!食べるのは、鬼か、人か
契約に縛られた鬼と彼を縛る不知火家の少女の物語です。
最初の食事のシーンから最後まで、作者様の流麗な筆致によって幻想世界が描かれていきます。
そこは鬼や化生が存在する世界。
邪気祓において鬼すらも喰らうと言われている不知火家は鬼と契約を結び、贄を捧げることで不知火家を守らせていました。
しかし、鬼は此度の贄である少女をなかなか食べようとはしません。
それどころか、食べごろになるまでと言って大切に世話をするのです。
やがて、鬼と少女の関係にも転機が訪れるのですが……
鬼が人を喰らうのか、はたまた人が鬼を喰らうのか。
見事な世界観とともに紡がれる妖艶な和風ファンタジー、おすすめの一作です。 - ★★★ Excellent!!!ヤンデレはお好き? 食べたい鬼と食べられたい贄の和風ダークファンタジー
カクコン短編作品を紹介します。
主人公の少女は鬼に食われる予定の贄の牡丹(ぼたん)。
牡丹の不知火家では、邪気払いの仕事をしているので、
代々鬼を飼い、邪気を貯めた贄を鬼に捧げることによって護られてきた。
牡丹は邪気を貯めた贄としてもうすぐ喰われる予定なんだけど、
鬼の可畏(かい)は今まで散々贄を喰らっていたのに、なぜか食べない。
逆に牡丹は食べるように誘ってくる。
柊さまの独特のダークでヤンデレ要素ある世界観に目が離せません。
この先の彼らがどうなるか観たくなります。
作家デビュー目前。
柊さまの妖艶で狂気っぽい愛を堪能してください。おススメします(*’▽’)b - ★★★ Excellent!!!お互いを縛っているのは契約? それとも愛? 少しダークな大人向け恋愛譚
鬼に食べられることを運命づけられた主人公の牡丹。
牡丹には鬼に食べられる覚悟がありそうですが、鬼である可畏はなかなか牡丹を食べようとしません。それがもとで鬼を飼う一族である不知火家の当主と、可畏は賭けをすることになるのですが……
美しい文体でつづられるダークな和風ファンタジー。
「食べる」に絡んだ表現がたくさん登場するのですが、性的な意味が感じられてエロティックですごく妖艶な印象!
恐ろしい展開もあるけど、恋人たちにとってはこれがハッピーエンド!みたいな、ほの暗い恋愛譚がお好きな方におススメ。
完成度の高い世界観で、読書しているあいだ物語の世界にどっぷりと浸かれること間違いなしです☆