食べるのは、鬼か、人か

契約に縛られた鬼と彼を縛る不知火家の少女の物語です。
最初の食事のシーンから最後まで、作者様の流麗な筆致によって幻想世界が描かれていきます。
そこは鬼や化生が存在する世界。
邪気祓において鬼すらも喰らうと言われている不知火家は鬼と契約を結び、贄を捧げることで不知火家を守らせていました。
しかし、鬼は此度の贄である少女をなかなか食べようとはしません。
それどころか、食べごろになるまでと言って大切に世話をするのです。
やがて、鬼と少女の関係にも転機が訪れるのですが……

鬼が人を喰らうのか、はたまた人が鬼を喰らうのか。
見事な世界観とともに紡がれる妖艶な和風ファンタジー、おすすめの一作です。

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