皆様、今世での行いには十分お気をつけて……阿修羅ちゃんが見ていますよ

とあるバーの片隅には、何やら怪しげな看板が立っている。
そこには猫耳パーカーの少年がいて、日常の相談をなんでも聞いてくれるそう。
彼は絶対知らないはずのことまで言い当て、相談の本質を見抜いてくれるそうだが、支払いを踏み倒すと――。

いやあ、人間って怖いなあ。
本作を読んでいる途中、ときどき作中に登場する不気味な呪文や黒毛玉が付き纏っているように錯覚することがあったのですが、それを可能にした作者様の表現力やもうすごいのなんのって。
登場人物ひとりひとりの心理描写が細やかに描写され、読んでいて気持ち悪さを感じてしまうほどです(褒め言葉です)。
実のところ、私はあまりホラーを読むのが得意ではないのですが、本作はそれでも続きが気になってしまってページをめくる手を止められなかったです。
主人公アスラちゃんのどこかつかみどころのない様子も、物語の怪しい雰囲気を一層強めるようなスパイスとなっていてとても良かったです。
前半の緩やかながらも不気味さの漂うシーンから、後半にかけての怒涛の伏線回収まで……何を取っても素晴らしい作品でした。

ホラー好きにもそうでない方にもおすすめしたい、珠玉の作品です!

その他のおすすめレビュー

白玖黎さんの他のおすすめレビュー86