まず、正史にもとづく書籍を読み込まれていることがよくうかがえる文章に驚いた。相当中国史を研究されたうえで書かれたのであろう。宦官と皇太子の師弟関係の物語とした点も巧みである。
小説というものが人間を描くものとすればそして、読む者の心に何かを残すものとすればまさにこれは『小説』であると言えます。徹頭徹尾に語られるテーマは一貫してブレません。綿密な設定と準備の上に作られた作品と思います。溢れんばかりの才気を感じずにはいられません。
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志破れ宦官に堕とされた清朗と傲慢な皇太子・李翔令。清朗は死に場所を求めていて、李翔令との出会いも最初は己が死ぬために利用しようとしていたが……。二人が互いに影響を受け、希望あるいは成長して行く過程・心情が丁寧に描かれています。共感と感動のある素晴らしい作品です!
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