転生モノを読むと誰しもが気になる転生者の精神年齢。
本作では高校生が転生して無双していく話であり、幼少期は特に詳しい描写が多い。
テンポが遅いと感じる読者もいるかもしれないが、主人公と家族の関係性を丁寧に描くとともに、年相応の弟と元高校生の主人公の精神的余裕が対比されている。
しかし、物語が進み、実年齢と転生前年齢が近づいていくともはや精神年齢は単純な高校生。
ある意味、大人の持つしがらみから解き放たれて行動しているため、清々しさも感じるが、転生前年齢+転生後年齢=精神年齢と考えて読むと行動原理に疑問を感じてしまう。
一方で、精神年齢が転生前のまま(少なくとも実年齢が追いつくまでは)成長しない、成長してないと考えて本作を読むと、主人公の言動、行動が受け入れやすくなる。
精神は肉体に宿り、肉体に引っ張られるということを読者に教えてくれる作品であり、毎日更新される素晴らしい名著である。