【ざっくりあらすじ】
行方不明になった兄弟子を一途に思う方士・万明玉が、
兄弟子の手掛かりを掴むため、
花嫁候補に降り掛かる怪異を調査する名目で、
皇子殿下と偽装結婚をする、中華風恋愛ファンタジーです。
【魅力ポイント】
(1)魅力的な登場人物
(2)仕掛けられた謎
(3)揺れ動く恋の行方
(1)魅力的な登場人物
素直になれずに思い人に思いを伝えられない主人公・明玉。
兄弟子の柳毅が行方不明になってから十五年経ち、他の人々がその生存を諦めても、なおも思い続ける一途な女性。
武術に優れ、正義感が強く、凛々しい兄弟子の柳毅。
見目麗しく心優しい、武芸に秀でた人望厚い皇子殿下・武俊煕。
仙道士の姉なら、謎の怪異もなんとか出来るだろうと、孝王の元に姉を送り込む明玉の弟・万正風。
怪異解決と、師兄捜索の手伝いのため、侍女に扮して一緒に王府に入り、協力を惜しまない弟弟子・楊冠英。
何かを抱えていそうな皇后様。
妙な威圧感のある皇后様のお猫様などなど。
多彩で魅力的なキャラが多数登場します!!
(2)仕掛けられた謎
・兄弟子の失踪の真相
・孝王に嫁ぐと決まった途端に現れる謎の襲撃者
・冷宮だったという仮氷室
・要所要所に登場してくるニャンコ(笑)……などなど。
様々に張り巡らされた伏線、仕掛けられた謎、読みごたえたっぷりです。
(3)揺れ動く恋の行方
十五年以上恋い慕い続けた兄弟子への思いを抱きつつ、
「わたしは、このまま妻殿に王妃でいいてほしいよ」
「すべての問題が解決したら、本当の妻になってほしい」
と率直に告げてくる孝王の言葉に揺れ動いたり、
幼い頃の約束を信じて孝王を思い続ける曲春華が孝王にベタベタしているのを見て苛々したり(笑)
繊細な感情の描写が巧みで、ついにやにやしながら読んでしまいました。
兄弟子を思う余り、或いは葛藤があればこそか、
つい前のめりに動いてしまいがちな明玉を、
優しく、おおらかにフォローしてくれる孝王殿下、素敵です!
◆ ◆ ◆
純粋に中華風ファンタジーとして世界観や雰囲気を楽しむもよし。
(中華FTの知識無しでも、丁寧に書かれているので、すっと頭に入ってくると思います!)
切なくも複雑に揺れ動く恋模様を楽しむもよし。
最後の最後まで、
「どうなるの?」とドキドキわくわくさせられっぱなし!な、謎解きを楽しむもよし。
どんどんお話に引き込まれて、
次へ、次へとページを繰る手が止まらないのですが、
終わりが近づくにつれて、
先が気になる様な、終わって欲しくないような……。
そんな気持ちにさせてくれるお話です!
主人公は修行中の方士様。
彼女は兄弟子に想いを寄せていましたが、兄弟子の婚約のため自身の気持ちを諦めなければいけない。
しかしある日、兄弟子が妖怪退治のために向かった先で消息不明になってしまう。
兄弟子の行方を探るため、主人公は後宮の謎に挑む――。
仙侠×後宮の新感覚中華ファンタジーです。
それだけでもワクワクするのに、本格ミステリに恋愛にと、たくさんの要素がこれでもかというほど作品に盛り込まれています。
中華を感じさせる緻密な描写もさることながら、魅力的なキャラクターと張り巡らされた伏線に始終目が離せない。
さらに、作者様は本場中国の仙侠ファンタジーに精通されている方。クオリティは折り紙つきです!
今後、カクヨムで読める中華ファンタジーをおすすめしてと言われたならば、まず最初に本作を挙げようと思います。
中華ファンタジー好きはもちろん、そうでない方にもイチオシの作品です!
babibuさんといえば丁寧な筆致で物語を書かれる方なんですけれど、その文体が中華小説に非常にマッチしているように感じられました。
華やかな後宮で繰り広げられる恋愛怪異譚、金細工のかんざしをシャララとなびかせて蠱惑的な女が小さな唇で微笑む。
豪奢な宮中で繰り広げられる女と女の駆け引き。
そんな煌びやかな映像が目裏に浮かぶようでした。
物語に含められた大きな謎、最愛の兄弟子の柳毅はどこへ行ってしまったのか。
主人公万明玉は彼の背を追って後宮へと忍び込みます。
スパダリに愛されながらも最愛の人を追い求める彼女に待っていた結末とは……
とにかくとても読み応えのある作品です。babibuさんの作品っていつも読み終えると満足感でいっぱいなんです( *´艸`)
中華小説ですが読みやすく書かれているので、あんまり読んだことないという方にもおすすめです。
兎に角、主人公の万明玉が魅力的で、彼女を全力で応援したくなります。
方士として、妖怪や怪異へ凛とした態度で対応しつつも、行方不明の兄弟子柳毅を一途に探し続ける姿は健気で可愛らしいです。
そんな彼女を偽りの花嫁と知りつつも優しくサポートする考王殿下も素敵で、明玉も好感を持たずにはいられません。
やがて、後宮に渦巻く陰謀に巻き込まれて行く二人。たくさんの思惑が絡み合った事態は思わぬ展開を繰り返し、ドキドキワクワク、読む手が止まらなくなりました。
恋愛物語としても、推理物としても、中華風ファンタジーとしても楽しめる作品です。
互いの想いが溢れ出るシーンも多々あって、キュンキュンが止まりませんでした。
是非、皆様も味わってみてください。
お勧めです!
九尾の狐が中国からやって来た妖怪と言うのは有名ですが、昔から怪異話はネットが無い時代でも国境を超えて伝わっていたみたいです。
元々『伝奇』という物は、唐の時代に流行った神仙や怪異を扱った短編小説らしく、日本ではオリジナル伝奇として変化していったみたいですね。
昭和、平成の頃は夢枕獏さんや菊地秀行さんなどの伝奇ライトノベルが一世風靡し、自分も大好きで読み漁りました。
そんな一世風靡した伝奇ですが、残念ながら最近はめっきり減りました。
しかし、この小説を読んだ時、久しぶりに「おおっ!」と成った訳で有ります。
『仙侠小説』として中国では新たな伝奇ブームが起こっているのは、嬉しい限りですね。
是非又日本にブームを持ち込み、この小説には先駆けと成ってほしいものです。
主人公のオテンバ方士の摩訶不思議な怪異退治と恋を是非皆様もお楽しみください。
仙侠小説というと、固いイメージを持つかもしれない。が、この作品はラブロマンスも含んでいるので、好きな方にも、仙侠小説の入り口としてもぴったりな作品。
この作品は、主人公明玉と師兄の関係から始まる。師兄に恋する明玉と、もう直、結婚してしまう師兄。
二人は既に道士としての道を歩む為、不死としての肉体を手に入れて、若さを保って生きている。
師兄が結婚してしまっても、繋がりは自分の方が強いとして、明玉は強気な考えを持つ女性。
そんな中で、師兄は結婚前に失踪してしまい、明玉はひたすらに師兄を探し求めるわけだが――
筆者様が封神演義や西遊記の様な、と言われているように、仙侠小説として確立した世界観と、設定で、ストーリーにも引き込まれる。
元々、筆者様の作風は読み易く、しかも恋愛面の強みもあって、感情移入がしやすい。
先にも言った様に、今まで中華ファンタジーを読んでいなくとも、わかり易く綴られている為、入門としてもオススメです。
中華ファンタジーでは「後宮もの」「仙侠小説」あたりが人気ジャンルという印象です。
こちらの作品は後宮を舞台に、方士の修行をして、定命の人間とは違う人生を歩む「万明玉」という女性キャラクターが主人公。人気ジャンルのいいとこ取りで、どちらも好きな方なら二倍楽しめると思います。
失踪した初恋相手の兄弟子(15年間絶賛片想い中!)の行方を探るため、皇子の妃となって後宮に潜入することになった万明玉ですが、偽りの婚姻であったはずなのに、相手の孝王殿下の優しさや人柄に惹かれていきます。
読者も惹かれていきます……!
ちょっと勝ち気な万明玉をうまくリードして、時には庇ってくれたり、諭してくれたり。
頑なだった万明玉の心が、少しずつほぐされていく過程もポイント高いです。
初恋相手の兄弟子か、それとも皇子へ真の愛に目覚めていくのか。完結まで目が離せません!
強くしなやかな、カッコかわいいヒロイン万明玉と兄弟子である柳毅は修行により若さと長命を手にいれています。
しかしほかの女性との結婚がきまっている柳毅。
彼にひそかな想いを寄せていた万明玉は、たとえ結婚はできなくとも、誰より長く彼と過ごせるのは自分だと思っていました。
そんなある日、妖怪退治のため孝王府に向かった柳毅が消息不明に。
柳毅の失踪から15年。
今も彼の生存を信じて捜しつづけている万明玉のもとに結婚話が舞いこんで……?
恋にアクション、陰謀に怪異にミステリー。
15年まえ、柳毅にいったいなにが起こったのか。
初恋か、それとも新しい恋か。
盛りだくさんな中華風ロマンス活劇。
ハピエンが確約されております本作ですが、このレビューを書いている現在クライマックスにむけてハラハラな展開を迎えております。
中華、ファンタジー、後宮、ロマンス、活劇、ミステリー、なにかひとつでも気になる言葉があったならぜひ読んでみてください。きっとハマりますよ。
ミステリ仕立ての中華風恋愛ファンタジー作品。
主人公の万明玉は十五年音沙汰なしの初恋相手を一途に待ち続けている女性です。が、方士(巫術などをつかう修行者)というわけで、実年齢と見た目年齢に差があります。長命で見た目若いまんまなんですね。
というわけで、何やら怪事件が起こっている後宮に、純真無垢で無力な姪の代わりに嫁ぐことになりました。姉ちゃんなら何が襲って来ようと退治できるじゃん、てな弟の発案によるものです(実際はこんなノリじゃないけど)。で、肝心の偽装結婚の相手ですが、ひょんなことから面識があった若者、その正体は皇子殿下だったのです。
といった具合に、後宮で怪奇の正体を探りつつ、偽装結婚相手から熱烈なアプローチをくらいながらも、「いえいえわたしには心に決めた相手が」とかわしていくわけなのですが、しかし待ち望んでいたその初恋相手と、想定外の再会を果たしてしまうは、偽装だというのに、ひたむきな愛を伝えてくる皇子の優しさに、なんだかんだで揺れる恋心との間でなかなかに複雑な状況に。
本作の主人公、万明玉は、見た目は置いといて実はいい歳(失礼!)なのですが、木登りするくらいのお転婆さん。責任感もあり、真面目。でも固すぎず、思いっきりが良く決断力もある。でも恋愛ごとには少々奥手の様子。そんな好感の持てるキャラクターです。
恋愛の軸では、初恋相手の兄弟子と、今現在猛烈にアプローチしてきている偽装結婚相手の皇子とのあいだで葛藤していきそう。最終的にどちらを選ぶのか。まだまだ連載中。ラストはハッピーエンドの予定とのこと。万明玉の出す答えは果たして……!
普段あまり中華風ファンタジーに触れてこなかった私ですが、こちらの作品にはしぜんと引きこまれていきました。
そのくらい魅力的で、力のある作品なのだと思います。
壮大な世界観もさることながら、個人的には、主人公の一途な思いにとても心を惹かれます。
まさに正統派ヒロインといった感じで、応援したくなりました。
もちろん、魅力的なのは主人公だけではありません。
例えば、あまりの誠実さについ心を許してしまいたくなるような、そんなキャラクターがいたりもして、読んでいるこちらまで心が揺れてしまいます。
皆様もいろんなキャラクターに共感しながら読み進めることができるのではないでしょうか。
恋愛あり、ミステリーありの本格派中華ファンタジー。
続きが気になってページをめくる手が止まらない――そんな読書体験を求めている方にお薦めできる良作です。
他のレビュアーの方々が超絶賛されているので、今更感がありますが……
控えめに言って大傑作です
設定がしっかり作り込まれているので、絢爛豪華な中華世界に安心してどっぷりと没入できます
キャラがすごくいいです、一人一人に魂が宿って生き生きしている
そしてロマンス‼️
ヒロインが二人の男性に惹かれていくこの王道な流れ、恋愛小説好きにはたまらないシュチュ
名君とのストーリーラインを楽しむもよし、よりミステリアスな幼なじみとのストーリーラインを追い続けるもよし
他にもサスペンス、ミステリー、ほのぼのストーリー…etc
一つの作品でありながら重層的な構造をもつこの物語はどんな読み方も可能です
物語のほんとうの楽しさをご堪能あれ‼️
「西遊記や封神演義の世界観がいっぱいの仙侠小説(中国のWEB小説のジャンル)が好きな作者が書く、中華風ファンタジーです。」(作者さま談)
まさに、その通りの世界が広がっています。
主人公の万明玉は、修行中の方士(巫術などをつかう修行者)。
彼女は、孝王府の皇子である孝王殿下と偽装結婚する。それは、王府に隠された秘密を探るためだった。
後宮を捜査する彼女に、さまざまな難題が沸き起こってきます。
その上、なぜか偽装夫である孝王殿下に恋心を止められなくなる。これはお約束!
ワクワクと、ドキドキと、キュンキュンが詰まった中華ファンタジー後宮物語。
どうぞ、お読みになって楽しんでください。
中華王朝小説やドラマがお好きな方なら、すっごく夢中になれると思います。そして、中華ものはちょっとと思われる方、食わず嫌いです。きっと楽しめると思います。
万明玉は「方士」と呼ばれる術者です。
仙侠小説に詳しくない私が説明しますと、
仙人に弟子入りして仙術を極めている仙人の卵といった感じかな。
ちなみに万明玉は女性です!
彼女には今も慕い続ける兄弟子「柳毅」がいます。
でも彼は15年前、仕事で訪れた皇宮で行方不明になってしまう。
皇宮なんて調査したくても足を踏み入れられない場所。
そんな万明玉にまたとないチャンスが迷い込む。
それが偽の妃となって皇子の妻を演じること。
皇宮にうずまく失踪事件の謎を解いたらお役御免となるはずが、
偽装結婚した相手の皇子は万明玉に優しくて・・・!?
怪異事件の謎解きと恋愛が見事に絡んだ中華ファンタジーです。
15年前の兄弟子「柳毅」失踪の謎と、いま皇宮で騒がれている失踪事件の謎はどう関係してくるのか?
万明玉に甘い態度を取る皇子との関係からも目が離せません!
恋愛、謎解き、方術によるバトルと多方面に楽しめる中華ファンタジー、
ぜひ読んでみてください!
万明玉は修行中の方士で、彼女は兄弟子の柳毅に密かに思いをよせていたのだが、彼にはすでに違う女性との結婚が決まっていた。
万明玉は彼と結婚できないと理解していたが、誰よりも長い時間を柳毅と過ごすのは自分だとも考えていた。
ある日、妖怪退治のために柳毅は孝王府に行ったきり、消息不明になってしまう。
それから十五年、柳毅は依然として見つからず、それでも万明玉は、諦めることなく彼を探し続けていた。
そんなある日、実家から結婚話が舞いこむ。縁談の相手は皇子の孝王殿下。柳毅が失踪して以来、孝王府の調査をしたいと考えていた万明玉は、この縁談にとびついた。
身分を偽り、王妃として新しい生活をはじめる彼女は、王府や後宮の内情を探り、初恋相手の柳毅につながる情報を得るため奮闘する。
花嫁候補たちが寝ついた原因は、本当に怪異の仕業なのか。その目的とは?
ただ今、絶賛連載中の今作。
いよいよ、王府へ嫁いだ万明玉の活躍、後宮の闇、その陰謀が徐々に明かされていくのでは?と期待しております!
中華風であり仙侠風でもあり、後宮もからんで三度美味しい作品です。
初恋の人の行方も気になりますが、それ以上に偽花嫁として夫婦となった旦那様、武俊煕との関係の方がさらに気になるのです(*´艸`*)
頑なに初恋の人にこだわる彼女の心を、武俊煕がどんな風に変えていくのか。この作品の興味はそこにあると言っても過言ではありません。
普段読み慣れない方でも楽しめる、様々な人気要素を取り入れたお話。
ぜひとも、オススメしたい作品のひとつです!
気になった方はぜひぜひ!
ヒロイン万明玉は破れた初恋を諦められずに15年も初恋相手の兄弟子柳毅の行方を一途に捜索する一方で、そのために利用するだけのつもりで身代わり結婚した孝王殿下に淡い恋心を抱き始めてしまう。彼女が実らなかった初恋を諦めきれない切なさと一途さ、初恋と今恋に迷う葛藤に胸がキュンとします。その葛藤にどうやってけりをつけるのか続きが楽しみです。
それだけでなく、強いヒロイン万明玉が方士としての力を使って王府や後宮にはびこる怪異を退治したり、陰謀を明かそうとしたりするのもワクワクします。中国のWeb小説ジャンルの仙侠小説のエッセンスを日本語で味合わせてもらえて美味しい作品です。
主人公・万明玉と、その初恋相手・柳毅は、共に修行中の方士。弟子の中でも二人だけは長命を得ているが、柳毅にはすでに結婚する相手がいる。
ここで、万明玉が「諦める」という選択を取らず、「いちばん長く一緒にいられるのは私」と考えているところが最高です。その感情を表に出さずに、「結婚は応援してあげる妹弟子」という立場を守る(守ってしまう)ところも、いじらしくて可愛い。
このまま初恋相手とくっつくか否かのお話――にならず、思わぬ展開になっていくのも、魅力的です。
不老長寿、妖怪退治、偽装結婚、後宮に渦巻く陰謀、皇帝一族との関係、なによりも第二の恋の気配! 心惹かれる題材がぎゅぎゅっと詰め込まれ、ひとつの中華風ファンタジー物語として巧みにまとめ上げられています。面白くないわけがありません!
登場人物も、一人一人がきちんと立っていて、深みを感じられるほど作り込まれているため、どの登場人物にも自然と感情移入をしてしまいます。
行方不明の柳毅について、「こうなったから行方不明なのかな?」と考えるのも楽しいです。
予想が合っているか否か。わくわくしつつ、なおかつお話自体もたくさん楽しみつつ、最後まで読ませていただきたいと思います。