概要
私の名前は沙薇《さら》。8歳までの記憶がない。そのため情緒が不安定な自分を持て余していたんだ。そこに、なぜかね、超美しい男が異世界から迎えにきた。
今までも、そんな夢みていたけど。
ここは自分の世界じゃなくって、本当は別の世界の姫だったりするって。小さい頃から王子さまが迎えにくるって、そんな夢を持っていた。でも自分がホモ・サピエンスじゃないとは思っていなかった。
私は日本で育った異世界人で、ドラゴンの選ばれし巫女であり、一族最後の純血種だったんだ。
だから、一大決心をして異世界に渡った。
そしたら、私の一族は民衆に憎まれ虐殺されていた。私は異世界でもっとも嫌われている女。
聞いてねぇ〜〜!
18歳を迎えるとドラゴンと通じることができる
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- ★★★ Excellent!!!楽園とは呼べない異世界で生き抜いて
その日も普通の朝を迎えた。行きつけのコーヒーチェーン店で、とある老女が意味深な呟きをするまでは。
現代の日本で暮らす大学生・沙薇の元に現れたのは、美しきエルフのような男。
得体のしれない男との出会いに舞い上がるほど、沙薇の思考はお花畑ではありませんでした。私が沙薇と同じ立場でも、恐怖のあまり腰を抜かしてしまう状況です。序盤から登場人物に共感できる心理描写が多いので、世界観にすぐ惹き込まれました。
謎の男が誘うのは、沙薇にとって幻想的で懐かしい場所。そして、現代日本の常識が通用しない異世界でした。沙薇が背負った宿命の行方を見届けてください。 - ★★★ Excellent!!!複雑さこそ、人間だ
これはファンタジーだが、同時に、人間の複雑さを突きつけてくる。
それは別に世界を越えなくても有り得ることなのだ。
ある時には弱虫な人間が、場所を変えると別人のように自信に満ち溢れて。
ある時には媚びを売り姑息な手段をとる人間が、ある時を境に謙虚な姿を見せる。
しかし、本質が変わった訳では無い。
人の別側面を見た時、ある時は裏切られたと思い、ある時は偽善だと吐き捨てたくなる時もあるだろう。
けれど多分、私たちは、全ての姿を見つめられるほど、俯瞰的には観られないのだ。
それすら飲み込み、信頼を築けるか。
……で、もう、作者としても読者としても人間としても試されてるような物語に、いっそ読…続きを読む - ★★★ Excellent!!!女子同士の熱き友情を目撃せよ! 人間味溢れるキャラに注目してほしい。
色々な方が作品のよきところをレビューされていると思います。私がこの作品で注目して読み進めたのが主人公のサラと、そのライバルであるマセコ——。
最初から憎たらしい、可愛げもない我儘娘のマセコちゃん。
詳しいことを書くとネタバレになるのでここに上げることはできませんが、ともかくこのマセコの魅力に終始やられてしまいました。
女子の友情って複雑怪奇。友達であり、ライバルであり、心の友。
そんな複雑な女子同士の友情をリアルに表現しているところがこの作品の魅力の一つだと私は思っています。
アメリッシュさんの作品の魅力のもう一つは、主人公も然りですが、その周囲のキャラクターの生き生きと動く姿——。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!常識が覆る。少女は女にならざるを得ない。掴める一握り、何を選ぶのか…
ある日突然、常識だと思っていたものが全て覆り、『ドラゴンの巫女』を課せられた、普通の少女だった沙薇(サラ)。
常に生命の遣り取りの在る中で、選べる道は多くない。
その中で、少女は成長し、決断する。
何を信じていいかもわからない、厳しい世界の中にもたくさんの救いがある。
目にしたことのない異世界の光景の中で繰り広げられる日常。
無駄のある会話までが、その場を空気を再現していて染み込んでくる。
そして、サラが全てをかけて掴み取ったものに、心が動かされずにはいられない。
巧みな文章で異世界に誘ってくれる、毎回が緊張と興味を誘う壮大なファンタジー。
美しいその世界への扉は、表紙を潜ればすぐ側に。 - ★★★ Excellent!!!この小説は異世界転生ではなく、異世界転移でもない、異世界転帰小説です!
「最近、異世界転移小説って多くない?」
「うんっ、悪女に転移って多いよね……」
「異世界転生なんて、もう腐るほどあるし!」
「そうそうっ! 手垢で汚れて真っ黒だしね」
なんて、貴方!
この小説は異世界転帰ですよ。
主人公の少女、沙羅は現代で息苦しさを感じながらも普通に暮らす女の子。ちょっと変わった母親代わりの博士に育てられています。
悩み事の種は沙羅を目の敵のように敵視する、幼馴染みのマセコです。友人のようで友人でもない彼女との学校生活は、不愉快でもあり、息詰まるもの。
ですが、二人の共通点は2月29日生まれだったのです。
やがて成長した沙羅の前にあらわれた使者により、彼女は異世界へと連れ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アメリッシュさんは『有言実行』の人
昨年の10月、カクヨムで小説を書き始めて半年も経っていないアメリッシュさんが、「カクコンに10万字のダークファンタジーで参加する!」と宣言された時、正直言って「なんと無謀な…」と思ってしまいました。しかし彼女は2か月でプロットを完成して、12月1日から1月17日まで1日もかかさずに更新し、ついに完結!!
その努力に「完結、おめでとう!」と、心から言わせてください。更新の日々、読者の私も、アメリッシュさんの頑張りと物語りの内容に、ワクワクドキドキしながら元気をもらいました。
物語りは、現代の日本で育った気弱な女子が、18歳の誕生日前に生まれ故郷の異世界に連れ戻され、そこで、<炎の巫女…続きを読む