整った文章と精緻な心理描写

体を捨てる時、人間の心に何が起こるのか。
一貫したテーマに沿って、洗練された文章が深い問いを浮き彫りにします。
それでいて主人公の心情は精緻かつみずみずしく描写されており、読み手を話の中に引き込んでくれます。
家族と自分はあくまで別の人間でありながら、家族を否定することはある意味で自分を否定することなのかもしれない。
自分自身を探そうともがく主人公に、さりげなく感情移入させてくれる秀作です。

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