概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!まずは第一話を読んでみてください!
久里 琳さまの小説はキャラクターの放つ魅力が半端ない。これはその原点ともいえる作品であろう。
メインキャラクターたちの強烈な引力は物語の他のキャラクターたちに及ぶだけではない。つかず離れずあとになり先になり、読み手を魅了し、翻弄し、心を温かくしてくれる。彼らは人懐っこい物語の先導者だ。本作に登場するマカレーナ、フアン、ダニエリ、ガビ、それにアナマリーア、カタリナ、ホセ、クロエ……どの人物も、一度登場するや、読み手の心のどこかをぐいっと引き寄せてしまうのは、見事としか言いようがない。
舞台は赤道直下の南米某国。白人、黒人、そしてインディオの血が混じり合った人々、対立する麻薬カルテルと彼らが引…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰もを魅了する夜の女王が、初めての恋をした。
もう、作品タイトルからしてかっこいいじゃないですか。「何これ、面白そう」って、期待感がググッと盛り上がりませんか?
読んでみれば、その期待を遥かに超える面白さ。最初の数行で風景がブワッと広がって心を掴まれ、1ページ読み終わる頃には期待は確信に変わるでしょう。肌を灼く陽射しと髪を揺らす潮風を感じながらさらに読み進めば、主人公マカレーナの強烈な魅力に心を撃ち抜かれること請け合いです。
他の登場人物も生き生きと描かれ、どのキャラを主人公に据えても物語ができそう。特に、マカレーナと愛人フアンの粋な関係性に痺れます。
また、銃撃戦やカーアクションの場面などは大スクリーンで観るハリウッド映画ばり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カリブを舞台に純愛と血煙にむせる物語
マカレーナ。
あまりに魅力的なキャラクターでした。
娼館の主人にして絶世の美女。
ギャングのボスの愛人でありながら、誰にも支配されることはなく。
わがままで自由奔放にして、誰よりも情が深い優しい人間。
そんなマカレーナを中心に、カリブを舞台にしたラブストーリーとバイオレンスアクションが混然一体となった物語が幕を開けます。
まずもってカルテル(いわゆるギャング)の抗争を描き出すアクションシーンがとにかくかっこいい。
もう洋画のバイオレンスの楽しさと爽快感を詰め込んだ、悪漢たちのドラマとアクションシーンが見事です。
舞台が南国ということもあり、極彩色の世界で飛び交う銃弾と血しぶきが脳内にス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カリブの夜の蝶と裏社会で暗躍するヒーローたちの美しきストーリー
舞台はカリブ海に面する某国。
麻薬流通が蔓延り、また経済を回している世界で、強かに生きる、娼婦とギャング、それから彼らを取り巻く仲間や堅気の人間が絶妙に調和し、鮮やかな物語を奏でます。
登場人物が皆、個性豊かで、裏社会なのに温かみがあったり、でもそれを表に出さないニヒルなセリフがかっこいいです。
そして、終始彩り続けるヒロインは夜の世界の女王。絶対的な美しさを武器に、危ない世界を悠然と闊歩する姿は、芸術的にすら見えます。
艶やかな美しさに翻弄され、逆に美しさゆえの苦悩を味わう、男と女たちが紡ぎ出す美しい物語に陶酔してみてください。 - ★★★ Excellent!!!欲望と愛憎のアウトロー小説
暴力と反社会の権化のような麻薬カルテルに連なる人々、夜の娼館で働く女たち、そして、お人好しな青年ガブリエルの交流を描いたアウトローな物語。
麻薬カルテル「旅団」に属する人々は我の強い荒くれ者ばかりで、殺人も暴力も当たり前。娼館で働く人々や、その併設アパートに住む子どもたちもどこかワケあり。一方のガブリエルは、体中から性善説を叫んでいるんじゃないかと言うほどのお人好しで、どんな理不尽にあっても命の危機に遭っても、相手を信じる心は決して曲がらない。
しかし、このガブリエルの狂気にも近い真っ直ぐな魅力と行動は、影の社会に生きる人々に良くも悪くも大きな影響を与えてゆきます。
社会の荒れ地を舞台と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!天使に惑わされようと地獄へ向かおうと、罪を抱いて生きる女の魂は汚れない
タイトルにもある『罪の女』とは何だったのか。
本作の主人公たるマカレーナは、娼館の女王にして麻薬カルテルのボスの愛人。どっぷりと社会の闇の中で生きる女性です。
だけどこの場合の『罪』は、もっと魂の根深いところにあるものを指しているように思います。
読み始めてすぐに、マカレーナに惹かれました。明るく奔放で、何にも囚われない強さ。
周囲を取り巻く登場人物たちも魅力的で、血の通った、そして血生臭い人間関係が見事な筆致で描き出されていきます。
金か、権力か、性か——愛か。
人が生きる上で、切っても切れない欲望がある。それによって過ちを犯すかもしれない。
マカレーナはきっと、そういうものを全て抱き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!青い海、白い砂浜。カリブの都で歌われる命の賛歌
タイトルにある「コカ」はコカインの原料となる中南米の栽培植物。ちょっと妖しさのある舞台を背景に、運命的な恋が描かれるお話です。
中心となる人物のマカレーナは娼婦ですが、彼女に日陰の女という言葉は似合いません。太陽の下で咲き誇る花のように人を魅了してやまないマカレーナと周囲の人間関係を描く筆致は濃密で、熱気や汗の匂いまで伝わってきそう。
恋愛と並行して描かれる麻薬カルテルの抗争が圧巻。散っていく男たちも熱くてかっこいいのが本作の魅力のひとつです。
登場人物の不器用で泥臭い生き様に胸が熱くなりました。全員が魅力的ですが、きっと読者それぞれに推しがいるのでは。
幕間のコラムが楽しく、中南米…続きを読む