欲望と愛憎のアウトロー小説

暴力と反社会の権化のような麻薬カルテルに連なる人々、夜の娼館で働く女たち、そして、お人好しな青年ガブリエルの交流を描いたアウトローな物語。

麻薬カルテル「旅団」に属する人々は我の強い荒くれ者ばかりで、殺人も暴力も当たり前。娼館で働く人々や、その併設アパートに住む子どもたちもどこかワケあり。一方のガブリエルは、体中から性善説を叫んでいるんじゃないかと言うほどのお人好しで、どんな理不尽にあっても命の危機に遭っても、相手を信じる心は決して曲がらない。
しかし、このガブリエルの狂気にも近い真っ直ぐな魅力と行動は、影の社会に生きる人々に良くも悪くも大きな影響を与えてゆきます。

社会の荒れ地を舞台とした、非常に情熱的な物語です。

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